fc2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。





アベノミクスが果たしてきた役割と今後の展望について解説している作品。
経済のデータの話で難しいところもあったが、大体このようなことが書かれている。

[アベノミクス前の話]
  • バブル崩壊からデフレ基調が続いてきた
  • デフレから回復しつつあった1997年に橋本政権による消費税増税が経済に打撃を与え、デフレが定着した
  • その後も速見、福井、白川といった日銀総裁たちもデフレを放置したことで被害が拡大
  • 民主党政権時代に円高まで放置したことで、他国よりもリーマン・ショックからの回復が大きく遅れた
[アベノミクスで実現したこと]
  • 第二次安倍政権で日銀総裁にリフレ派の黒田氏を指名し、ようやくデフレからの脱却に本格的に取り組んだ
  • 2014年の消費税増税や国際経済の変化による苦難もあったが、トランプ政権の成立がいい方の誤算として働いた
  • インフレ率はゼロでも1%台でも失業率が上がるので好ましくなく、2%程度がベストらしい
  • インフレ率2%は達成できていないが、その目的である失業率の低下は実現できているわけで、数字だけにこだわると本質を見失う
  • これまで完全雇用の目安は3%程度とされてきたが、いまだに賃金上昇につながっていないということは、まだ完全雇用までの余地が残されている
    (つまり従来の説は、非正規雇用が少なかった時代までしか有効でなかった)
[今後の見通し]
  • アベノミクスと異次元の金融緩和は、このまま続けるのがいい
  • 出口戦略がどうとか財政健全化がどうとかいう話は一部の識者や財務省などからあるが、あまり心配する必要はない
  • むしろ出口戦略や財政健全化を目指した消費税増税などの方が害悪が大きい
  • そもそも、どこの国もリーマン・ショック後は伝統的な財政・金融政策が有効でないことを認識して非伝統的な政策を取っているわけで、日本だけ時代遅れな政策を実施するのは経済に多大なダメージを与える

全体的には急激なインフレもいけないが、失業率を上げる結果となるデフレや微細なインフレもまずいことが分かってきて、改めて経済の難しさを感じた。
マスコミがあまり報道してくれない雇用や経済見通しに関する話を、興味深く読むことができた。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト