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戦国武将 (中公文庫)
小和田 哲男
中央公論新社 (2015-08-22)



戦国時代を専門とする歴史学者による、戦国武将のさまざまな面を解説している作品。

まず印象に残るのは、戦国武将は独裁者や絶対君主ではなく、有力国人の集合体をまとめるポジションという性質が強いことで、宇喜多秀家の重臣が秀吉をバカにする放言を吐いたり、「黒田節」で有名な母里太兵衛が主君の黒田長政から怒られても冷笑していたシーンを例に挙げている。

そのため主従関係も後世のような忠義がどうのといった形よりも契約による部分が強く、働きに報いることができない主君からは去る、それが進むとダメな主君は下克上で排除することにつながることが書かれている。
前者では可児才蔵や渡辺勘兵衛、後者では陶晴賢らが例に挙げられていて分かりやすい。

他にも宗教で戦いに勝つために神仏に頼る話や一向一揆への対応の仕方、学問や趣味では三大娯楽に溺れた例として「足利義政の茶湯、大内義隆の学問、今川氏真の歌道」を挙げられている文書の例、政略結婚や人質にまつわる悲劇など、幅広い内容から戦国武将が語られていて興味深い。

30年以上前に書かれた作品で、文庫化に際してその後の研究成果も反映されているので、その点も安心して読むことができる。





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