
オリックスが2004年から募集してきたマネー川柳の10年分の中から、比較的古びていなくて面白いものを約200句収録している作品。
時代の時事ネタが関連して解説が必要なものがあったり、いまいち内容が伝わりづらいものがあるのはまあ理解できるが、風刺の仕方が雑に感じたり、感じたことや経験したことをそのまま書いているように見えるものなど、面白いと感じるものが少なかった。
オリックスの担当者や川柳家の尾藤一泉氏のセンスが、私と合わないということや、年代が高くて感性が合わないことなどが原因なのかもしれない。
どんな感じのがいいのかと聞かれても答えられないが、本書は私にとってはハズレということになる。

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世界各地における紛争や対立の原因の1つとなっている宗教的な経緯を、世界史や地政学、経済、民族や部族などの観点とも合わせて紹介・解説している作品。
宗教や宗派、民族や部族ごとの対立もあるが、それぞれのグループ内部でも急進派と穏健派、他のどのグループと協力するかなどでも派閥が分かれているケースも書かれていて、ニュースなどで報道される以上に複雑で分かりにくいことがいくつも書かれている。
日本では報道されることが少ない中央アフリカでのフツ族とツチ族の対立を起因として8ヵ国が関わった「アフリカ大戦」や、南スーダンでのイスラム教徒とキリスト教徒の対立、中米におけるカトリック、プロテスタント、解放の神学派(カトリック系だがヴァチカンは非公認)のキリスト教三派の三つ巴の争いなど、知らなかったことが多くて暗たんとした気持ちにもなる。
著者が末尾で見解のコメントをしているところが微妙に偉そうに感じるところもないではないが、紹介という観点からはまずまず興味深く読むことができたかもしれない。
- 著者の作品について書いた記事
- 『キリスト教からよむ世界史』
- 『「民族」を知れば、世界史の流れが見通せる』
- 『ライバル国からよむ世界史』
- 『滅亡から読み解く世界史 教科書が語らない「その後」が面白い!』
- 『30の戦いからよむ世界史〈上〉』
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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
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ヤニス・バルファキス (著), 関 美和 (翻訳)
ダイヤモンド社 2019/3/7
ダイヤモンド社 2019/3/7
ギリシア経済危機の時期に財務大臣としても活躍した経済学者による、娘に語る形式で書かれた経済読み物。
できるだけ堅い言葉を使用しないようにしつつ、経験価値から商品価値への転換、格差の発生と拡大、金融システムや技術の進歩が雇用に及ぼした影響などを時代を追って語っている。
「民主化VS商品化」みたいな対立軸で考えたり、生産手段や通貨の民主化を主張するなど、やや共産主義よりというか現代の資本主義へのアンチ的な考え方と感じる部分が多く、一定の層から評判がいい理由が分かった気がした。
理想は理想として、実現は石破茂氏がよく語るように、「これから皆さんで考えていきましょう」というところなのだろう。
印象に残るところも多いが、あまり好きな作品ではなかった。
ヤニス バルファキス
明石書店 (2019-04-19)
明石書店 (2019-04-19)
NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れろ
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ジェレミー・ハイマンズ (著), ヘンリー・ティムズ (著), 神崎朗子 (翻訳)
ダイヤモンド社 2018/12/6
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バーを舞台とした30年以上続く長寿漫画の第1巻。
先日読んだ『知識ゼロからのビジネス韓非子』の挿絵に使用されていたのに関心を持ち、読んでみた。
主人公は酒に関する知識や情熱が並外れていてコレクションもしているマスターで、これに酒の味が分からないのに常連という口ひげがトレードマークのライターである松ちゃん(松田さん)、トレンチコートにサングラスをしている謎の男・メガネさんとの掛け合いになっていて、それ以外の登場人物はほとんどが1話限りのゲストとなっている。
私も松ちゃんと同様に酒の知識や味覚に疎いことは自覚しているものの、話自体は上品で収まりのいい展開をしているので酒飲みでなくても楽しめる。
本書の初版が出たのが1986年で30年以上前だが、ある回で初期のマッキントッシュが登場したところ以外はあまり古びていないように感じられる。
長い期間愛され続けてきた作品であることが、理解できた。
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