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読んだ本の感想をつづったブログです。





ヘッジファンドのファンドマネージャーが、自身がやっている投資手法から投資のアドバイスをしている作品。

著者が実践しているのは、長期金利、短期金利、両者の金利差の3つの指標から、春・夏・秋・冬と季節分けし、それぞれの局面に応じてポートフォリオを組み替えるという手法である。

用いている投資対象は日本株、外国株、日本債券、外国債券の4つをベースに、国内REIT、金(に連動するETF)、VIXのETFを組み入れるというものである。
売買手数料を節約するため、年に2回くらいの頻度としている。

初めて知ったのがVIIXという「市場が暴落したら価格が上がる証券」で、これが本書の特徴の1つと言える。
ただ、普段は値下がりを続ける性質があって長期投資には不向きだそうで、上がった時に売却する必要がある点で難易度が高そうである。
あくまで市場の暴落に備える保険のようなもの、ということだろう。

これを用いるかどうかは、市場が下がった時期を待ったり耐えたりすることが許される個人投資家と、それが許されないファンドマネージャーという立場でも異なるような気がする。

著者が長期の積み立て投資はリスクが高いと書いているのも同様で、ファンドマネージャーとしてはリスクを許容できないということで、個人投資家だと許容可能かどうかは各自の判断によるのだと考える。

本当に読み通りにいくものなのか?とか金融商品の例の説明がないとか、ポジショントークっぽさもありそうだとか、思うところはいくつかあるが、研究する価値のあることが多く書かれている、興味深い1冊ではあった。






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