FC2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。



本郷 和人 (著)
KADOKAWA/角川学芸出版 (2012/11/23)


中世から近世にかけての時代を戦いの観点から、その時代を代表する人物2人の対比を用いて以下の8章で語っている作品。
  1. 平清盛と源頼朝-治承・寿永の乱
  2. 後鳥羽上皇と北条義時-承久の乱
  3. 安達泰盛と平頼綱-霜月騒動
  4. 足利尊氏と後醍醐天皇-南北朝内乱
  5. 細川勝元と山名宗全-応仁の乱
  6. 今川義元と北条氏康-駿東地域の争奪戦
  7. 三好長慶と織田信長-戦国の畿内争奪の諸相
  8. 豊臣秀吉と徳川家康-小牧・長久手の戦い

いきなり「はじめに」で、「古代史なんて、なかったら良かったのに」とか「史料なんて、なかったら良かったのに」との思いを語って読者にショックを与えているが、これは古代史や資料の多さによって簡単な捉え方をしてしまう歴史学界の傾向を危惧してのもので、あくまで歴史研究が多面的な観点からなされてほしいとの思いが書かれていて納得する。

基本的には過去に読んだ著者の作品と重なる話も多いが、武家が貴種をかくまう風習や、霜月騒動の背景にある御家人の利益(のみ)を重視するか「撫民」もするかという路線対立、畿内・中国・四国・中部の「日本A」とそれ以外の「日本B」という構図などが、2人の人物の話と関連付けて語られているのは分かりやすく感じた。

著者の作品の中でも、まとまりの良さではけっこう上位に来る良書だと思う。
著者があとがきで検討しつつも諸般の事情で先になりそうだと語っていた『九条道家』の作品が出る日を楽しみにしている。






にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




関連タグ : 本郷和人,