日付 | 記事タイトル |
2020/02/28 | 『ローマ人の物語 (20) 悪名高き皇帝たち(4)』 |
2020/02/27 | 『ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3)』 |
2020/02/26 | 『明智光秀: 牢人医師はなぜ謀反人となったか』 |
2020/02/24 | 携帯電話をiPhoneXRに変更した |
2020/02/22 | 『あずまんが大王(1)』 |
2020/02/21 | 福岡市美術館「大浮世絵展-歌麿、写楽、北斎、 広重、国芳 夢の競演」 |
2020/02/18 | 『大阪ルール 大阪サイコー!ライフを楽しむための50のルール』 |
2020/02/16 | 『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 |
2020/02/12 | 『ヤクザ式ビジネスの「かけひき」で絶対に負けない技術』 |
2020/02/10 | 『IoT最強国家ニッポン 日本企業が4つの主要技術を支配する時代』 |
2020/02/09 | 『ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術』 |
2020/02/08 | 『金融で読み解く次の世界』 |
2020/02/07 | 『中国賢人の教え―混沌の世を生き抜く知略』 |
2020/02/06 | 『戦国名将の本質 明智光秀謀反の真相に見るリーダーの条件』 |
2020/02/05 | 『革命家100の言葉』 |
2020/02/04 | 『ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2)』 |
2020/02/03 | 『世界最強! 華僑のお金術 お金を増やす「使い方」の極意』 |
2020/02/02 | 『noteではじめる 新しいアウトプットの教室 楽しく続けるクリエイター生活』 |
2020/02/01 | 『明智家の末裔たち: 本能寺からはじまった闘いの記憶』 |

塩野 七生 (著)
新潮社 (2005/8/28)
『ローマ人の物語』シリーズの文庫版20巻で、アウグストゥスから始まるユリウス・クラウディウス朝5代目で最後の皇帝、そして暴君の代表として有名なネロの治世を描いている。
クラウディウスを利用してのし上がったアグリッピナが息子のネロを擁立し、政治では哲学者のセネカ、軍事ではブルスをつけ、通説では最初の5年間は善政だったと評価されている。
しかし著者はセネカの影響はそれほどでもなかったし、その時期がセネカの政策だとしたら実務にうとい学者らしい失敗も多かったのでは?と書いていて、通説と異なるのが面白い。
そして母のアグリッピナを暗殺、離縁した妻を殺害といった暗い部分も、派手なイベントをよく開催するので大衆から人気があり、治世の後期に恐怖政治をやりだすまでは大目に見られてきた。
例えばギリシアかぶれで歌や芸術を見せることを好んだが、才能はそれほどでもなかった?みたいで、自分の趣味で周囲の人々に迷惑をかけているのはジャイアンを連想する。
このあたりは、北宋の徽宗皇帝とか、美濃で斎藤道三に追放された土岐頼芸とかなど、芸術家タイプを前面に出す君主はいい印象がない。
ローマの大火では真摯に対応しているが、再建時にギリシア風の街路を建設したのが不評だったようである。
大火は実はネロが街を造り直すために放火したのでは?との疑いを持たれ、キリスト教徒になすりつけて迫害したという話も扱われていて、これがキリスト教世界でネロが暴君の代表になった要因でもある。
(歴史学者の本村凌二氏の作品では、迫害したのはキリスト教徒ではなくユダヤ人の一派だったんじゃ?と書かれているが)
軍事や外交でも部下への権力移譲に失敗しがちで、東方の宿敵・パルティアがローマの同盟国・アルメニアの王位にパルティア王の弟をねじ込んだ問題に対しての初動を誤り、しばらくごたついている。
ここで司令官となったコルブロという人物は、「パルティア王の弟がアルメニア王になるのを認める代わりにローマを訪れてネロから戴冠の儀式を受ける」という、それまでアルメニアと組んでパルティアをけん制するという方針から一転した合意をパルティア王と結ぶことに成功していることに驚かされた。
ネロや大衆はパルティアに合戦で勝利することを望んでいたが、パルティア王の真意(弟がアルメニア王に就任できれば他の条件は妥協できる)や、ローマ人の心情(勝てなかったパルティアの王族をローマに呼びつけるという名誉)を把握した上での実現したことから見ても、どの時代でも活躍できた人物だったのだろう
そのコルブロも軍内部で発生したネロ暗殺計画への関与を疑われて粛清され、恐怖政治となったことで元老院や大衆、さらには軍からも見放されたことで自殺に追い込まれる最期を遂げている。
ネロが死んでからはユリウス・クラウディウス朝に連なる血筋の人物が擁立されることはなくなり、スペインで反乱を起こしたガルバなどの実力者たちが争う時代に入り、このシリーズでは『危機と克服』編に入る。
巻末では、『悪名高き皇帝たち』編に登場した皇帝がなぜ悪く書かれたのかの考察が書かれている。
タキトゥスやスヴェトニウスといった、ネロより少し後の時代の歴史家が、ティベリウスからネロにかけての治世をこき下ろすことが多かったようだが、著者はこれを「資本主義が盛んな時代における裕福なマルクス主義者みたいなもの」と評していて、朝日新聞や東京新聞の言説を思い起こすとなるほどなとなる。
何をやってもやらなくても、素晴らしい善政だったとしても、文句をたれる人々は一定数いるのはいつの時代でも同様なのだろう。
決して名君ではないが、その後の勝者たちの都合で実際以上に暗君とされた感があるネロが描かれていて、後世の都合で印象が変わってくるという傾向を再認識でき、本書も興味深く読むことができた。
- 著者の作品について書いた記事
- 『ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上)』
- 『ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中)』
- 『ローマ人の物語 (16) パクス・ロマーナ(下)』
- 『ローマ人の物語 (17) 悪名高き皇帝たち(1)』
- 『ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2)』
- 『ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3)』

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塩野 七生 (著)
新潮社 (2005/8/28)
『ローマ人の物語』シリーズの文庫版19巻で、ゲルマニクスの弟、カリグラの叔父に当たり、カリグラを暗殺した近衛軍団から擁立されたクラウディウスの治世を扱っている。
彼は血筋はいいが体に障碍があったのでそれまで皇位継承者と見なされておらず、50代で皇帝に即位するまでは歴史家として活動してきた。
それが突然皇帝に祭り上げられた形だが、歴史家皇帝としてカリグラの浪費による財政破綻からの再建、ローマの外港建設などのインフラ投資、反ローマのドルイド教勢力が集まっていたブリタニア征服など、その後のローマの基盤づくりとなる政策を多く実施できた背景には、歴史に学んできた者の長所が出ている。
元老院の会議や裁判などにも真面目に出席したり、家の使用人だった解放奴隷たちを官僚として使いこなしたなど、13年の統治で燃え尽きたと著者が評するのも分かる。
(解放奴隷たちに権力を与えたことは、側用人とか宦官みたいな感じになったのか、元老院からは評判が悪かったらしいが)
ただ、期待されない生涯を送ってきたことで威厳を持つことを知らなくてバカにされがちだったことや、仕事には熱心だが家庭のことはあまりタッチしたくない人だったこともあり1人目の妻も2人目の妻も悪妻というのが、少し後の歴史家からけなされている。
そして2人目の妻であるアグリッピナからは、連れ子のネロを後継者にねじ込まされた上、用済みとばかりに毒殺されるという最期を遂げている。
クラウディウスは仕事熱心だが家庭のことには気を使いたくないという、バブル期の会社員みたいなキャラクターのように感じていて、確かに皇帝らしさはあまり感じられない。
このあたりが不人気だったのだろうが、実績は実績としてもっと評価されてもいい。
このシリーズは次が暴君の代表として有名なネロで、まだまだ続きを読み続けていく。
- 著者の作品について書いた記事
- 『ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上)』
- 『ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中)』
- 『ローマ人の物語 (16) パクス・ロマーナ(下)』
- 『ローマ人の物語 (17) 悪名高き皇帝たち(1)』
- 『ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2)』

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早島 大祐 (著)
NHK出版 (2019/11/11)
歴史学者による、明智光秀が信長の家臣になる前の話や、織田家での仕事のやり方などについての研究結果を解説している作品。
サブタイトルに「牢人医師」とあるのは、医学関係者との交流が多かった理由には世に出てくる前は町医者みたいなことをしていたからでは?という考察がなされていることによる。
興福寺の記録や、光秀など織田家関係者の書状、上洛していた島津貴久の書状などが史料として用いられていて、どのように考察しているのかの一端を知ることができるのが興味深い。
光秀には、「御妻木殿」と呼ばれ、信長の側室に入っていた妹(側室というよりも社長秘書みたいな役割?)がいて、例えば丹波攻めが波多野秀治の反乱などで最初失敗した際もとりなしてもらったなど助けてもらっていたらしく、彼女が亡くなって信長へロビー活動しづらくなったことが本能寺の変に影響を与えたという可能性があるとの話は理解しやすい。
この話は以前読んだ『明智光秀 残虐と謀略 一級史料で読み解く』にも出てきたので、それだけ役割は大きかったのだろう。
また、信長が足利義昭を奉じて上洛した際は、自称の官名?である「弾正忠」とか「上総介」では軽すぎて畿内では通用しないと思われたのか、家臣たちも書状で「信長」と呼び捨てで書いていた話も少し驚かされる。
そして、信長の重臣たちが、信長からは基本方針は示されるが細かなところは丸投げで、臨機応変な判断を求められていた話など、武将としてよりも政治家としての活動の話が新鮮で面白い。
信長が多くの軍を多方面で早く展開させるために関所を廃止したのはイメージしやすいが、道路のインフラ整備にも力を入れていて、その過程では土木技術者の取り合いが起こったり、光秀も含む将兵が長距離の移動で疲弊していたことなど、言われてみればその通りと思える話も多い。
インフラや書状から読み取れる統治の話が多く、新たな光秀の一面を知ることができてなかなか良かったと思う。

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携帯電話は7年くらい前に変更したガラケーのN-01Eをずっと使用してきたが、閲覧できるサイトが少なくなってちょっと限界かなとここ1年くらい考えていた。
ちょうど機種の2年契約の更新期間になったので、ドコモショップに行ってiPhoneXR(128GB)のブルーを購入した。
はじめてスマホ購入サポートとかで、8000円くらいだったと思う。
iPhoneにするくらいしか考えておらず、この機種にしたのはキャンペーンで安かったからというのみの理由である。
購入してから調べてみると、最新のiPhone11の1年くらい前に出た機種だが性能はまずまずで、最初に使うiPhoneとしてはいいみたいな評価だったので、まあ悪くない選択だったようである。
スマホを日常的に使用するのは初めてで、設定変更の場所や方法がすぐに分からなくて調べたり、知らない人でも分かりやすい発信ボタンでなかったためにメールを書きかけで送信してしまったり、電話を発信して焦ったりとありがちな失敗も少ししてしまった。
それはそれとして、これまでガラケーで見れなかったサイトが見れるようになったり、多くのアプリが使用できるようになった便利さを少しずつ体感しているところである。
アプリに関しては、昔パソコンでフリーソフトやフリーのゲームをあれこれインストールして試していた頃のことを思い出したりもした。
多くの機能を習得し、使いこなしていきたい。

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