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読んだ本の感想をつづったブログです。



塩野 七生 (著)
新潮社 (2005/8/28)

『ローマ人の物語』シリーズの文庫版19巻で、ゲルマニクスの弟、カリグラの叔父に当たり、カリグラを暗殺した近衛軍団から擁立されたクラウディウスの治世を扱っている。

彼は血筋はいいが体に障碍があったのでそれまで皇位継承者と見なされておらず、50代で皇帝に即位するまでは歴史家として活動してきた。

それが突然皇帝に祭り上げられた形だが、歴史家皇帝としてカリグラの浪費による財政破綻からの再建、ローマの外港建設などのインフラ投資、反ローマのドルイド教勢力が集まっていたブリタニア征服など、その後のローマの基盤づくりとなる政策を多く実施できた背景には、歴史に学んできた者の長所が出ている。

元老院の会議や裁判などにも真面目に出席したり、家の使用人だった解放奴隷たちを官僚として使いこなしたなど、13年の統治で燃え尽きたと著者が評するのも分かる。
(解放奴隷たちに権力を与えたことは、側用人とか宦官みたいな感じになったのか、元老院からは評判が悪かったらしいが)

ただ、期待されない生涯を送ってきたことで威厳を持つことを知らなくてバカにされがちだったことや、仕事には熱心だが家庭のことはあまりタッチしたくない人だったこともあり1人目の妻も2人目の妻も悪妻で、2人目のアグリッピナからは、連れ子のネロを後継者にねじ込ませたら用済みとばかりに毒殺という最期を遂げている。

クラウディウスは仕事熱心だが家庭のことには気を使いたくないという、バブル期の会社員みたいなキャラクターのように感じていて、確かに皇帝らしさはあまり感じられない。
このあたりが、実績の割に不人気だったのだろうが、実績は実績としてもっと評価されてもいい。

このシリーズは次が暴君の代表として有名なネロで、まだまだ続きを読み続けていく。





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関連タグ : 塩野七生,


早島 大祐 (著)
NHK出版 (2019/11/11)


歴史学者による、明智光秀が信長の家臣になる前の話や、織田家での仕事のやり方などについての研究結果を解説している作品。
サブタイトルに「牢人医師」とあるのは、医学関係者との交流が多かった理由には世に出てくる前は町医者みたいなことをしていたからでは?という考察がなされていることによる。

興福寺の記録や、光秀など織田家関係者の書状、上洛していた島津貴久の書状などが史料として用いられていて、どのように考察しているのかの一端を知ることができるのが興味深い。

光秀には、「御妻木殿」と呼ばれ、信長の側室に入っていた妹(側室というよりも社長秘書みたいな役割?)がいて、例えば丹波攻めが波多野秀治の反乱などで最初失敗した際もとりなしてもらったなど助けてもらっていたらしく、彼女が亡くなって信長へロビー活動しづらくなったことが本能寺の変に影響を与えたという可能性があるとの話は理解しやすい。
この話は以前読んだ『明智光秀 残虐と謀略 一級史料で読み解く』にも出てきたので、それだけ役割は大きかったのだろう。

また、信長が足利義昭を奉じて上洛した際は、自称の官名?である「弾正忠」とか「上総介」では軽すぎて畿内では通用しないと思われたのか、家臣たちも書状で「信長」と呼び捨てで書いていた話も少し驚かされる。
そして、信長の重臣たちが、信長からは基本方針は示されるが細かなところは丸投げで、臨機応変な判断を求められていた話など、武将としてよりも政治家としての活動の話が新鮮で面白い。

信長が多くの軍を多方面で早く展開させるために関所を廃止したのはイメージしやすいが、道路のインフラ整備にも力を入れていて、その過程では土木技術者の取り合いが起こったり、光秀も含む将兵が長距離の移動で疲弊していたことなど、言われてみればその通りと思える話も多い。

インフラや書状から読み取れる統治の話が多く、新たな光秀の一面を知ることができてなかなか良かったと思う。






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携帯電話は7年くらい前に変更したガラケーのN-01Eをずっと使用してきたが、閲覧できるサイトが少なくなってちょっと限界かなとここ1年くらい考えていた。

ちょうど機種の2年契約の更新期間になったので、ドコモショップに行ってiPhoneXR(128GB)のブルーを購入した。
はじめてスマホ購入サポートとかで、8000円くらいだったと思う。

iPhoneにするくらいしか考えておらず、この機種にしたのはキャンペーンで安かったからというのみの理由である。
購入してから調べてみると、最新のiPhone11の1年くらい前に出た機種だが性能はまずまずで、最初に使うiPhoneとしてはいいみたいな評価だったので、まあ悪くない選択だったようである。

スマホを日常的に使用するのは初めてで、設定変更の場所や方法がすぐに分からなくて調べたり、知らない人でも分かりやすい発信ボタンでなかったためにメールを書きかけで送信してしまったり、電話を発信して焦ったりとありがちな失敗も少ししてしまった。

それはそれとして、これまでガラケーで見れなかったサイトが見れるようになったり、多くのアプリが使用できるようになった便利さを少しずつ体感しているところである。
アプリに関しては、昔パソコンでフリーソフトやフリーのゲームをあれこれインストールして試していた頃のことを思い出したりもした。

多くの機能を習得し、使いこなしていきたい。






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あずま きよひこ (著)
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2000/2/10)


高校生活を舞台とした、ゆるくて面白い4コマ漫画の第1巻。
かなり以前にどこで読んだか忘れたが読んだ記憶があったので、ブックオフに販売されていたものを購入してみた。

10歳だが飛び級で入学したちよ、クールで怖そうな外見だが実はネコやぬいぐるみが大好きな榊さん、マイペースな大阪(あゆむ)、強烈なエピソードが多いゆかり先生とそれに振り回される黒沢先生など、多くのキャラクターが登場する。
説明はあまりなくても、読み進めるうちにそれぞれのキャラクターが分かってくるのがいい。

パソコンを使い始めていたり、ポストペットの話題が出てくるところは時代を感じるが、それ以外はあまり古びていないと思う。
そうそう、こんな感じだったと思いながら楽しく読むことができた。





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先週、福岡市美術館で開催中の「大浮世絵展-歌麿、写楽、北斎、 広重、国芳 夢の競演」(開催期間:2020年1月28日〜3月22日)を観に行った。
北斎や国芳の特別展は過去にも観に行ったことがあるが、観ていて飽きない。

歌麿と写楽はおそらくこうした特別展で見るのは初めてで、歌麿の美人画はそれほどピンときたわけでもなかったが、写楽の代表作である「江戸兵衛」の絵が見られたのにはテンションが上がった。
また、脇役の2人組を描いた絵は、サンドウィッチマンのように仲のいい芸人のコンビを連想させてくれるように感じたのも楽しかった。

北斎では有名で既に知っている『富嶽三十六景』や『諸国瀧廻り』、広重だと『東海道五十三次』や『木曽街道六十九次』、『名所江戸百景』などの他に、あまり知らなかった北斎の『千絵の海』や広重の『近江八景』といった作品が展示されていて、これだけでも観に来た意義があったとすら思った。

国芳では大胆な構図や魅力的なキャラクター描写、エンターテイメントとして様々な風刺やしゃれなどを駆使した多彩な作品が入っていて、現代でも全く古びていない面白さがあるのはすごいことだと感じる。

充実した展示を楽しむことができ、行って良かったと思う。






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関連タグ : 葛飾北斎, 歌川広重, 歌川国芳,