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読んだ本の感想をつづったブログです。



武論尊 (著)
双葉社 (2013/7/17)


『北斗の拳』の原作者として知られる武論尊が、厳しい状況の中耐えて生きている人々に向けてのエールを送るような話を、自身や漫画家たちのエピソードとともに語っている作品。

「意地」と「やせ我慢」の2つの言葉が多く出てきて、不平等で不条理でも強く生きていく、負けたり挫折しても生きることが大切という考え方が出ていて印象に残る。

生きることでは、多忙で心身ともに追い詰められていた時期に休んで北海道に逃げて牧場の手伝いと週末に競馬という生活が『パッパカパー』という競馬コメディ漫画につながったことや、才能があったが挫折して酒におぼれて若死にした小野新二という漫画家の話などが扱われている。

挫折については、『北斗の拳』に登場する北斗四兄弟の三男・ジャギが好きなキャラクターだと語り、挫折しても人生を投げていない姿勢を評価していて、そういう見方もあるのかと思わされた。

一方で、「原作者だから漫画が売れなかったら漫画家のせいにすればいい」とか、趣味のギャンブルでは「人のせいにできるのがいい」など、妥当性はともかく笑わせてくれる話も多く入っている。

そして、中学を卒業して自衛隊に入隊していた頃の話、自衛隊の同期が『サラリーマン金太郎』などで知られる本宮ひろ志でデビュー前に世話になっていたこと、すしざんまいの社長が後輩ということ、『タッチ』などでしられるあだち充が友達など、著者の交遊関係の話が非常に興味深い。
その中で例えば『北斗の拳』では作画を担当した原哲夫とはお互いの仕事に口を出さなかったというプロ意識の話も強い印象を受けた。

豪快なようでも自分の弱さやダメさにもきちんと向き合うような感じの著者の人柄が出ているようで、非常に興味深く読んだ。






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