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読んだ本の感想をつづったブログです。



森 博嗣 (著)
SBクリエイティブ (2020/4/7)


現在は退官しているが国立大学の工学部助教授を務めながら作家を続けてきた作家による、お金ややりたいことに関する考え方を語っている作品。
編集者からは「お金の増やし方」についてのテーマを依頼されたが、著者はあまのじゃくのようなのでこのタイトルになったことが最初に書かれている。

ざっくりと著者の語りたいことをまとめると「本当に欲しいもの、やりたいことにお金がかかるのであれば、計画を立てて費用を調達する手段を取ること、ただし借金はダメ」ということになり、著者が副業で作家をするようになったのも、趣味である鉄道のミニチュアやラジコンなどの機材や工作用具、遊ぶための土地や家を得るためと語っていて、そこから「やりたいことをやってお金を減らす」という話に続いていく。

そしてもう1つ特徴的なのは、「必要なものに金をかけない」というもので、このために奥さんや子供に苦労を掛けてしまったとも書いている。
これは、「必要だから」と理由付けをすると安易にお金が出ていくため、そうならないための努力や工夫をすることだと解釈した。

著者がこの方法を実践できたのは「やりたいこと・欲しいもの」が明確になっていたためであり、他の人がなかなかできないのはこれらが明確になっていなかったり、他者との関係での欲求(自慢とか見栄とか)を優先してしまうためという。

お金を得る・増やす方法としては結局のところ、自分の能力を高めて仕事などで稼ぐ力をつけることが最も確実という、王道な話になっている。

それにしても、多忙な大学の勤務でもできる副業を探して作家という方法を選び、すぐにヒット作を連発したというのは「何だそれ?」と思うくらいうまくいっているように感じ、著者もそのように書いている。
ただ、それらを実現するための努力や工夫も十分にやってきたということだろう。

著者の金がかかる趣味に対して「面白そうだけどお金がないからできない」と言われることも多いようで、これは本当にお金がないからというよりも、本当にやりたいわけでもないのにしない理由付けとしてお金をつかっているだけと語っていて、大いに同意できる。

仮に何らかの趣味などを勧められたとして、「お金がないからできない」と言ったら、「お金があったら本当にやるのか?」ということになるので、自分はお金は理由にしないようにしている。
(単純に関心がないとか、合わなそうとかの理由で)
「お金がないからできない」を使うのは、借金を頼まれて断る時くらいである。
(さすがに「あなたのために貸したいお金などない」とまでは言えない・・・)

この「お金がないからできない」のバリエーションは他にもあり、以前ある人から「だって私はできないから(あなたがやってほしい)」みたいなことを言われ、「そんなことないだろう。単に面倒だからやりたくないだけだろう」と思ったけど言わなかったことを思い出した。

もう1つあるのが議論に近いおしゃべりをしている時に人によっては「そんなの分からないし・・・」みたいなことを言ってこちらの話を遮ろうとする場合で、これは「分からない」のではなく「分かりたくない、知りたくない、聞きたくない」ということだと解釈している。
それにしても自分は言いたいことを言ってこちらが話しかけてそう返されると、話をする気がなくなる。

やりたいことが明確になっているか?と言われると自信がないし、必ずしも他人を気にしないでいるかも分からない部分があり、その意味ではこうした考え方をはっきり明示してもらえたので、読んで良かったと思う。




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