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読んだ本の感想をつづったブログです。


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空野 進 (著), 加藤いつわ (イラスト)
主婦の友社 (2017/9/30)


鑑定にまつわるチートスキルを持った主人公が活躍するライトノベルの第1巻。

冒険者の父母に憧れていたハクトールは15歳の時にスキルを鑑定してもらったところ、スキルは鑑定のみで、剣術や魔法のような戦闘向きのものは持っていなかったため、諦めて鑑定所で働くこととなった。
(鑑定のスキルを持つ人は少ないので、職にあぶれる心配はない)

しかし、ハクトールが持つスキルは「詳細まで鑑定することができる」というユニークスキルであることに気づき、これを活かすことで冒険者になることを決意する。

そしてシャルロッテやニャー、ミーナといった、スキルを持たないと思われていたり使い道がないスキル持ちと思われていた美少女たちを仲間に加えることに成功し、冒険をしていくこととなる。

スキルを持っていても使い方がすぐには分からなかったり、ハクトール自体は戦闘力があまりなくて苦戦しつつもダンジョン内のアイテムや罠を利用したりモンスターの弱点を見つけるなど、チートなだけでないようにする工夫もなされている。

話のテンポがいいのと文章が読みやすいのがあって、思ったよりも早く読み終えることができた。
魅力的な設定なので、続編も読んでみようかと考えている。





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高橋ヒロシ (著)
秋田書店 (2015/6/8)


有名なヤンキー漫画で、27巻くらいまで読んでいる『WORST』の前作に当たる作品の第1巻。
舞台は『WORST』と同じ鈴蘭高校で、「カラスの学校」と呼ばれることからこのタイトルになっている。

主人公は鈴蘭の2年に転校してきた坊屋春道という金髪オールバックのヤンキーで、序盤からケンカのシーンが続くのはいかにも横道な展開だが、テンポがいいのとキャラクター設定が魅力的なのでぐいぐい読み進んでいける。

春道が何人かを倒し、無期停学から復学した鈴蘭最強と目される阪東ヒデトと戦う寸前のところまでで終わるので、続きが気になるのもうまいところである。
ケンカのシーンを必ずしも最後まで描かないところなども余韻を残す効果があり、人気があるのも分かる。

ヤンキーは好きでもないしあこがれも持っていないが、そうした感情を超えて面白く読むことができる。





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マイケル・ブース (著), 寺西 のぶ子 (翻訳)
亜紀書房 (2013/4/9)


料理人の修行をするなど料理に造詣が深い英国人のジャーナリストが、家族4人で来日して日本食を体験する紀行文。
本書をコミック化した『コミック版 英国一家、日本を食べるEAST』を読んでいたので、入り込みやすかった。

日本への滞在期間は3か月弱で、東京、北海道、京都、大阪、福岡、沖縄など、かなり精力的に動き回っている。

焼き鳥やお好み焼き、ラーメンといった大衆的なグルメの体験から、メディアの出演が多い服部幸應氏や辻調理師専門学校を経営する辻芳樹氏へのインタビューをした上に食事に誘われる話、昆布の養殖場や酒造会社などで生産者の方々への取材などを行っていて、うまいものへの賛辞はもちろんだが口に合わないものもストレートに表現しているのが面白い。

そして、6歳と4歳の息子2人の思わぬ行動に振り回されたり、京都でゲイの青年にまとわりつかれて参るなどのハプニングも多く書かれていて、単なる旅行ノンフィクションになっていないのが人気となった一因だと思う。

けっこうページ数は多いのだが、著者の元々の文章と翻訳者の仕事の良さにより、英国人らしいユーモアと皮肉が入った文章により思ったより早く読むことができて楽しめた。





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蝉川 夏哉 (原作), 碓井 ツカサ (漫画)


コミック化やドラマ化もされたライトノベル・『異世界居酒屋「のぶ」』のスピンオフ作品となるコミックの第1作で、「のぶ」の作者が原作を担当している。

「げん」は「のぶ」と同じ異世界にある日突然つながったという設定で、「のぶ」が帝国(ドイツ?)の古都につながったのに対し、「げん」は東王国(フランス?)の王都パリシィアにつながっている。

登場するのは60歳前後の店主・草平と娘・ひなた、そしてひなたの大学時代の友人で料理人の正太郎で、訪れた異世界の客たちは日本の居酒屋料理のおいしさに驚くという話となっている。

巻末には原作者による短編も収録されており、「のぶ」と同じ世界観を楽しむことができる作品である。




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