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河合 敦 (著)
河出書房新社 (2021/2/15)


日本史で悪人や悪役というイメージがある人物を取り上げ、史実から必ずしも悪人ではなかったことや、悪人とされた事情などを紹介している作品。
下記の24人が扱われている。

蘇我入鹿、道鏡、藤原時平、平将門、平清盛、北条政子、足利尊氏、高師直、日野富子、斎藤道三、松永久秀、明智光秀、石川五右衛門、小早川秀秋、淀殿、由井正雪、徳川綱吉、吉良上野介、柳沢吉保、天一坊、田沼意次、井伊直弼、大久保利通、古川市兵衛

藤原時平の陰謀によって左遷されたとされる菅原道真が実は嫌われ者で本当に陰謀を企てていたという説や、梟雄とされる松永久秀が取った行動には釈明の余地が大いにあること、生類憐みの令で処罰された人は実は少なかったなど、あまり語られない話が多くて面白い。

また、『忠臣蔵』のようにヒーローを際立たせるために悪役にされた吉良上野介や仮託された高師直といった例や、成功したがゆえに嫌われた柳沢吉保、講談では派手に暴れているが史実では大したことをしていなかったり記録があまり残っていなかった石川五右衛門や天一坊などを見ていくと、必要とされたために悪役が生み出されていったことが分かってくる。

コラムとして「「やっぱり悪人!」な有名人」と「じつは「いい人」ではなかった有名人」も収録されていて、前者では藤原薬子、源頼朝、足利義教が、後者では豊臣秀吉、鼠小僧、野口英世が扱われているのも興味深く、これらをメインで書いた本が出たら読んでみたい。

興味深く、楽しく読むことができた。




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