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読んだ本の感想をつづったブログです。






久留米大学に所属する経済学者が、一般的な話と少し異なる日本経済と今後の展開について語っている作品。

バブル崩壊からデフレが続いているのは「勤勉と節約」による合成の誤謬によるもの、少子高齢化による労働力不足がこれまでの最大の問題だった失業を解決するであろうこと、日本の財政破綻は考えにくいこと、日本的経営の良さなどに続いて、日本の今後における課題や覚悟すべきシナリオなどを語っている。

読んでいくと確かに経済や社会の観点からは失業が最も厳しい事態というのは就職氷河期を思い起こすと納得しやすいし、企業があの手この手で支払う賃金を抑える手法(非正規労働者や外国人研修生など)を取ってきたが、少子高齢化でなおかつ移民などをしなければ正社員の雇用を増やして賃金を上げるしかなくなるという話は分かりやすい。

本書が出てから3年近く経ち、コロナ禍で外国との行き来が少なくなってきたことや、外国人研修生という制度への風当たりが強くなったことも、こうした傾向に拍車をかけると思われる。

ただ、少子高齢化自体は解決すべき課題であるとも語っていて、「これから生まれてくる子供」に対する優遇措置や、「親も配偶者も子供もいない被相続人」に高い相続税率を課すなどの対策を挙げている。
中には「相続登記の義務化」のように来年から施行されることが決定した話もこの時点でなされていて、妥当な話をしているのだと感じた。

政府や大企業に忖度しない形で話をしていることが伝わってきて、少しラディカルではあるが理解しやすい内容だった。
他の著作やコラムなどもまた読んでみようかと思っている。






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