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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル                                      
2021/12/29『北条氏の時代』
2021/12/09『教養として知っておきたい 「王室」で読み解く世界史』
2021/12/07『アウトスタンディング』
2021/12/02『渋沢栄一 うまくいく人の考え方』
2021/11/19『GIANT KILLING(1)』
2021/11/17『ストーリーで学ぶ Excel VBAと業務改善のポイントがわかる本』
2021/11/14『強く儚い大馬鹿者たち』
2021/11/12『この素晴らしき世界』
2021/11/07『ゆでたまごのリアル超人伝説』
2021/10/27『戦国武将の土木工事』
2021/09/14『最強の教訓! 日本史』
2021/09/02『NISAで利回り5%を稼ぐ 高配当投資術 なぜバフェットは日本株を買うのか』
2021/08/18『今さら聞けない 30代以上転職のルール やり方以前の常識大全』
2021/08/16『ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!』
2021/08/11『30代からの「異業種」転職 成功の極意: 超一流ヘッドハンターが教える!』
2021/08/07『長崎のトリセツ 地図で読み解く初耳秘話』
2021/06/21『アオアシ 1』
2021/06/07『戦乱と政変の室町時代』
2021/05/28『歴史を活かす力 人生に役立つ80のQ&A』
2021/05/11『ナイツ&マジック 1』
2021/04/05『八男って、それはないでしょう! 1』
2021/04/04『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』
2021/04/01『新任警視』
2021/03/20『コンテンポラリー・クラシックス 貞観政要 リーダーシップの要諦』
2021/03/12『織田信長という謎の職業が魔法剣士よりチートだったので、王国を作ることにしました』
2021/02/25『最強の鑑定士って誰のこと? ~満腹ごはんで異世界生活~』
2021/01/30『僕の人生には事件が起きない』
2021/01/27『外来種のウソ・ホントを科学する』
2021/01/19『南北朝動乱 太平記の時代がすごくよくわかる本』
2021/01/05『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』



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本郷 和人 (著)
文藝春秋 (2021/11/18)


来年の大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」を意識して出版社から打診されたと思われる、鎌倉幕府執権の北条氏一族のそれぞれの時代を語っている作品。
時政、義時、泰時、時宗・貞時、高時の5章で構成されている。

著者の他の作品でも書かれていた、北条氏が元々は小さな勢力だったが陰謀でのし上がったこと、時頼の時期に撫民の思想が出てきたが、時宗・貞時の時代に撫民の思想を受けた統治派とと御家人ファースト派が争って御家人ファースト派が勝利したことが鎌倉幕府の滅亡につながったことなどが書かれているが、他にも印象に残る話が多い。

優れた執権を輩出した印象がある北条氏だが、彼らは必ずしも後継者と決まっていたわけではなく、身内のライバルとの後継者争い、梶原、比企、和田、三浦といった政敵との戦いに勝ち抜いてきたことが影響していて、得宗家のプリンスとして育った時宗や貞時が好意的に見ても名君とは言えないことと対比をなしている。

時政が部下を使って政敵を暗殺した後に口封じとしてその部下を殺すやり方は古今東西の謀略家の手口で、自分のために貢献した暗殺者を手厚く遇した宇喜多直家は例外なのだということを再認識したり、建前を重んじて周囲に引っ張られた形をとって政敵を滅ぼす義時の手法は、建前をうまく使ってきた家康に通じるものがあると思ったりもした。

他のライバルとなりうる有力な御家人を排除した後は得宗家VS名越家のような一族間の争いや、平頼綱に代表される身内人と呼ばれる得宗家の家臣VS安達泰盛や北条の分家などの内部闘争が続くようになっていて、橘氏や源氏を排除した後に一族間での争いを繰り広げた藤原氏にも似ている。
違いは、公家ではなく武家なので大規模な殺し合いになりがちなことである。

元寇につながる外交の失策・無策や御家人のために鎌倉幕府ができたという構造が貨幣経済に対応できなくなったことが鎌倉幕府と北条氏の滅亡の要因とされるが、北条氏がほぼ皆殺しになった理由として、日本のほぼ半分の土地を支配するようになったために「北条氏を倒せば土地が得られる」と御家人に思われていたという話も納得しやすい。

著者は戦国時代など必ずしも専門としている以外の時代に関する著作も多くてすごいと常々感じているが、専門である中世についてはより力が入っているように感じられ、読みごたえがあった。





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多久 弘一 (著)
里文出版 (2002/10/1)


『聊斎志異』や『捜神記』、『子不語』など、中国の怪奇小説の話を収録しているアンソロジー。

この手の作品は大好きなのでしばしば読んでいるが、『聊斎志異』で既に知っている話が多かったり、他の作品でいまいちに感じる話が多かったりで、そこまでいい方の作品ではないように感じた。

好きな作品は狐と飲み友達になる話や、妖怪を騙してロバに化けた状態で売り飛ばしたりこきつかったりする話などで、残虐さが少な目の方が落ち着いて読むことができる。

また、「饅頭こわい」や「のっぺらぼう」などの日本での怪談話やとんち話のネタ元になったと思われる話もあり、面白い話はアレンジされて色々なところに伝わっていくものなのだと感じた。






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話 梅子
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山崎 元 (著)
朝日新聞出版 (2018/3/20)


経済評論家の山崎元氏による、お金についての抑えておきたい原則的なことを語っている作品。

基本的には他の著作にもしばしば書かれている「金融商品は手数料が安いものを選ぶ」や「銀行員には要注意」などが本書でもか書かれているが、下記の趣旨を語っているところが他の著作であまり目にした印象がなく、心に残った。
  • 投資の本質は、リスク・プレミアムをなるべくたくさん、長期にわたって上手に貯め込むこと
  • 運用は、「売り買い」することではなく、「持っている状態」であること
このあたりの話を読むと、必ずしも著者が勧めているインデックスファンドや個人向け国債でなくても、私がたまに購入してそのままにしていることが多い個別株(売買単位が比較的安くて配当率が高いもの)でも特に問題はないのだろうと思い、少しだけ気持ちが楽になった。

どの本だったか忘れたが、「市場から退出しないことが重要」という言葉とも符合しているかもしれない。

極端な話、上記の2点を読んだだけでも大きな収穫だったと思う。





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