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本郷 和人 (著)
文藝春秋 (2022/5/20)


日本史の古代から江戸時代までを対象に、外圧のレベルや定説への疑義、他ではあまり語られない捉え方などを語っている作品。

まず、外圧にレベルが3つあり、最大レベルのものは白村江の戦いと黒船来航、1945年の敗戦の3つのみで、元寇は北条政権による失策と無策によるものとしている。
そして外圧が高ければ実力主義、外圧が低ければ前例主義や世襲の傾向が強いことが書かれている。

そこから各時代について書かれている。
平清盛の政権は初の武家政権と評されることが多いがやっていることは藤原氏と同じことなので実態にはそぐわないことや、南北朝は足利氏が意図的に長引かせた可能性、応仁の乱は尊氏派(細川、赤松など)と直義派(山名、大内など)の対立が繰り返されたものという捉え方など、定説で出てこない考え方が多く語られていて興味深い。

江戸時代はいい時代だったという考え方と暗黒時代だったという考え方があり、著者は耕作地や人口が飛躍的に拡大したことから前者だと語っている。
一方、他の本で書かれていた暗黒時代とする根拠は、各個人の栄養状態が飛び抜けて悪かったらしいことや、森林を伐採しすぎて自然破壊が進んでいたことを挙げていて、このあたりはそれぞれ一理あるのかなと思っている。
耕作地や人口が増えたからこそ栄養状態が悪くても生きられたということなのかもしれない。

精力的に著作を出している姿勢には頭が下がる思いがするし、本書もまた興味深く読ませていただいた。




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