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読んだ本の感想をつづったブログです。



村井 章介 (著)
筑摩書房 (2012/4/1)


アイヌや女真などの北方、朝鮮、琉球、ポルトガルなどとの交易、倭寇と呼ばれるが実態は中国人、朝鮮人、ポルトガル人、ムスリムなどを含む貿易集団、朝鮮から伝わった精製法により増産された日本銀によるインパクトなど、戦国時代の日本を取り巻く情勢を語っている作品。

この時代は明や李氏朝鮮が貿易の制限をしていたことと、日本が室町幕府の支配力が弱かったこと、琉球が中継貿易国として明から優遇されていたが後に貿易量が減ったこと、遼東で明の地方官とヌルハチのような女真など周辺の民族のボスが交易で力を蓄えていた話などがなされていて、それぞれの事情がつながったりつながらなかったりする話が面白い。

中国や朝鮮の汚職体質はこの時期も健在のようで、例えば朝鮮の法で銀の精製法は流出禁止だったのがさまざまなルートから漏れていった話や、貿易を制限するやり方の是非がどうなのか?というところなど時代を越えたところで考えさせられる。

倭寇の話は例えばフランシスコ・ザビエルの書簡にも書かれていて、乗った船の船長が悪魔(多分道教の神)に祈りをささげているとか、不要と思われる寄港を繰り返していた(多分密貿易のため)など、立場の違いによる記述が紹介されているところも興味深い。

各国の法を潜り抜けようとする倭寇集団は、各国の税金を逃れようとする現在のGAFAのような多国籍企業と重なる部分も感じたりもして、色々と考えながら読んでいった。




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