日付 | 記事タイトル |
2022/10/29 | 『戦国自衛隊』 |
2022/10/27 | 『トンチキ鎌倉武士』 |
2022/10/26 | 『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決』 |
2022/10/24 | 『THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX』 |
2022/10/23 | 『信長を殺した男~本能寺の変 431年目の真実~(1)』 |
2022/10/21 | 『北斎 HOKUSAI 日新除魔図の世界』 |
2022/10/19 | 『メタルマトリックス: 常温核融合なのか?異常ニュートリノに秘められた謎とは?』 |
2022/10/18 | 『40周年記念-コボちゃん傑作選』 |
2022/10/16 | 九州国立博物館「特別展 ポンペイ」 |
2022/10/15 | 『新視点 関ヶ原合戦: 天下分け目の戦いの通説を覆す』 |
2022/10/13 | 『伊達政宗 (講談社 火の鳥伝記文庫) 』 |
2022/10/11 | 『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』 |
2022/10/10 | 福岡市博物館「特別展 独眼竜 伊達政宗」 |
2022/10/09 | 『賊軍の将・家康 関ヶ原の知られざる真実』 |
2022/10/08 | 『相性がわかる! 県民性のヒミツ』 |
2022/10/06 | 『鹿児島のトリセツ 地図で読み解く初耳秘話』 |
2022/10/05 | 『「旧説vs.新説」幕末維新43人』 |
2022/10/04 | 『播磨灘物語(1)~(4)』 |
2022/10/03 | 『ワールドトリガー オフィシャルデータブック BORDER BRIEFING FILE』 |
2022/10/02 | 『ひとりで生きていく』 |
2022/10/01 | 『宇宙の孤児』 |

半村 良 (著)
KADOKAWA (1979)
自衛隊の部隊が戦国時代にタイムスリップし、自身たちが転移させられた意義を考えながらも戦っていくSF作品。
本作の映画化や、さらにアレンジした映画『戦国自衛隊1549』、そして自衛隊の艦隊が太平洋戦争の時期に転移するかわぐちかいじの『ジパング』、ライトノベルでも異世界に転移させられる『ルーントルーパーズ―自衛隊漂流戦記〈1〉』のように、「自衛隊が別の場所に転移したらどうなるのか?」をテーマとした作品の源流の1つとなっている。
時代を越えた強力な武装を持つ彼らだったが、転移した隊員は30人くらいで弾薬や燃料も補給は得られず、機器も故障したらそれまで…というハンディキャップもあったものの、近代的な戦術を使用したらどれくらいやれるか?という話にもなっている。
タイムスリップした戦国時代には長尾景虎(上杉謙信)や武田信玄はいるものの、斎藤道三や信長、秀吉、家康らに該当する人物が見当たらいように微妙に異なっていて、自衛隊の面々は「とき衆」と呼ばれるなど、細かな設定がうまいと感じる。
ページ数は短めなものの、その中でタイムスリップした意義とか、上記の近代戦術が通用するか?や、どのような意図でこの事態に対応させられているのかを考えながら戦っていくところが印象に残る、いい作品だと思う。

長谷川 ヨシテル (著)
柏書房 (2022/8/29)
芸人で歴史ナビゲーター「れきしクン」こと長谷川ヨシテルによる、現在放送中のNHK大河「鎌倉殿の13人」などにも登場する平安時代末期~鎌倉時代初期の人物の強烈なエピソードを紹介している作品。
著者の『ポンコツ武将列伝』で扱われた源行家や熊谷直実、『ヘッポコ征夷大将軍』で扱われた源実朝などは扱われていないか、「詳しくはこちらを読んでください」という感じで最小限の紹介にとどめてある。
頼朝ファミリーの皆さん、ライバル源氏の皆さん、鎌倉殿の13人と政子さん、平家ファミリーの皆さんという章立てになっていて、例えばライバル源氏の皆さんでは木曽義仲、武田信義、佐竹秀義、平賀朝雅、山本義経と、有名な人物もそうでもなさそうな人物も入っているのがいい。
富士川の合戦で武田信義が主将だったために頼朝から危険視されて一族で何人も粛正されていたり、頼朝に敵対していたが後に臣従した佐竹秀義のように、後の戦国大名の祖先に当たる一族の話が面白い。
著者が戦国時代が好きなことから八田知家の子孫が小田氏治、源範頼の子孫が吉見氏、中原親能の養子に始まるのが大友氏など、後の時代とのつながりに関する話でテンションが上がっている感じなのが楽しい。
室町時代の管領だった畠山氏が、足利氏が縁者で滅ぼされた畠山重忠の名跡を継いだことに始まることなどは知らなかったので興味深かった。
エピソードでは八田知家がなんどもひどいやらかしをしては頼朝にごまをすって許してもらった話や、和田義盛の天然さあふれるエピソード、大江広元の安心感や平宗盛のだらしなさなど、ある程度予備知識があった人物もそうでない人物も面白く書かれている。
著者が熊谷市出身のために熊谷直実をひいきしていたり、源氏で源義経と山本義経のように似た名前の多さにややこしさを感じるなど、人柄が出ているのも読んでいて楽しい。

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フランツ カフカ (著), ヨハン・ヴォルフガング・フォン ゲーテ (著), 頭木 弘樹 (翻訳)
草思社 (2018/6/5)
ネガティブな名言が多いカフカと、ポジティブな名言が多いゲーテの名言が生まれたエピソードを紹介し、比較している本。
同じような対象に感じることが、それぞれ反対に捉えているようなところが面白いポイントなのだと思われる。
…が、100ページも読んでいかないうちにパターンに飽きてしまい、読むのをやめた。
「で?」「だから何?」と思ってしまった形で、カフカやゲーテに対して予備知識がそれほどなければ、あまり楽しめないのではないかと思う。
以前読んだ清水義範の短編(タイトルや収録作品は忘れた)に、長嶋茂雄のポジティブな言葉と村山実のネガティブな言葉をいかにも本人たちが言いそうな形で語っているものがあり、これはけっこう面白く感じたことからすると、読む側がカフカやゲーテに対する関心があまり高くなかったのがハマらなかった要因にあるのだろう。
また、短編とかコラムくらいの分量ならちょっと面白いというところで終わるのだろうが、この手のテーマで丸々1冊使うとくどいとも感じる。

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すみだ北斎美術館(奥田敦子) (編著)
講談社 (2020/7/16)
2016年に開館したすみだ北斎美術館が所蔵する葛飾北斎の『冨嶽三十六景』をカラー写真を掲載し、構図別に解説を加えている作品集。
この作品の代表に挙げられることが多い「神奈川沖浪裏」(グレート・ウエーブ)や「凱風快晴」、「山下白雨」をはじめとして、山梨県側から見た富士山の景色や、橋げたや製作中の桶、建物の軒など、直線と円を多用して富士山がどこかで見える構図となっている浮世絵が多く掲載されていて、そのすごさを改めて感じることができる。
「神奈川沖浪裏」のダイナミックな波の絵は現在知られている形になるまでに何度か描かれてきたことが紹介されていて、名作になるには時間がかかるものも多いことが分かる。
手に取って見やすいサイズなので、手元に置いて気が向いたときに見返すのにも向いている。
すみだ北斎美術館は行ったことがないので、いずれ行ってみたい気持ちもある。
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