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読んだ本の感想をつづったブログです。


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NMB48(Team N)
laugh out loud! records 2014/3/31


NMB48・チームNのオリジナル公演曲をCD化した作品。
2月18日にHKT48・チームKⅣでこの公演の初日が行われ、それを観に行って楽しかったので購入した。

楽曲は下記が収録されている。

1 overture (NMB48 ver.)
2 青い月が見てるから
3 Radio name
4 ここにだって天使はいる
5 カトレアの花を見る度に思い出す
6 夢のdead body
7 何度も狙え!
8 おNEWの上履き
9 この世界が雪の中に埋もれる前に
10 ジッパー
11 初めての星
12 100年先でも
13 リボンなんて似合わない
14 ドガとバレリーナ
15 情熱ハイウェイ
16 少し苦い人生相談
17 不毛の土地を満開に…

テンポのいい「青い月が見てるから」と「Radio name」から始まり、ユニットではかっこいい「夢のdead body」やコミカルな「何度も狙え!」、セクシーな「ジッパー」など多彩な曲、アンコール前の「ドガとバレリーナ」とアンコールの疾走感ある「情熱ハイウェイ」の落差など、さまざまな曲が楽しめるセットリストになっている。

「何度も狙え!」はオリジナルはタイガースのユニフォームを模した衣装だったと思われるが、チームKⅣバージョンではホークスのユニフォームを模した衣装なのが面白い。

メンバーではオリジナルでセンターを務めて「夢のdead body」でギターを弾いていた山本彩のポジションを地頭江音々が存在感を出し、チーム再編でさらに序列が上がった感がある竹本くるみのかわいらしさ、歌唱力が試される「この世界が雪の中に埋もれる前に」での秋吉優花や坂本愛玲菜の歌のうまさ、「ジッパー」での山下エミリーのスタイルの良さなどが印象に残る。

「ジッパー」ではグラビア雑誌に掲載されることが多い田中美久を予想した人も多かったのではないかと思うが、小柄な美久ではなく手足が長くてステージ映えするエミリーを選んでいるのはよく分かっていると思う。

今回再編されたKⅣのメンバーのこの日の感じを見る限りだと、「100年先でも」で秋吉優花とともに側転を決めたり「ドガとバレリーナ」でバレリーナ役を務めた坂本愛玲菜がキーパーソンになりそうだと感じた。
同期が多かったチームTⅡからさまざまな期で構成される新チームでの活躍を期待したい。

チームHの『目撃者』公演もまだ観ていなくて関心はあるが、しばらくは『ここ天』公演を何度か観に行きたいと思っている。






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菊地 浩之 (著)
KADOKAWA (2022/12/9)


家康の家臣として「徳川十六神将」という絵が多数存在しているが、そのチョイスについての謎を考察している作品。

十六神将として最も多い組み合わせの中で、

酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政、大久保忠世、鳥居元忠、平岩親吉、高木清秀、内藤正成

までの9人は、徳川四天王、幹部クラス、監査役タイプなど選ばれるだけの理由があり、著者も異論がないようである。

しかし、扱いがそれほど良いとは言えない

渡辺守綱、服部正成、大久保忠佐、蜂屋貞次、米津常春、鳥居忠広

や、そもそも誰を特定しているのかはっきりしていないのにNo.2のポジションで描かれている

松平甚太郎康忠

などがなぜ選ばれているのか?そして石川家成、本多広孝、大須賀康高、酒井正親などが入っていないことを疑問に挙げている。

この疑問に対しては、「尾張徳川家に仕えた渡辺守綱(あるいはその関係者)が選んだから」という理由から説明していて、なるほどと思ってしまった。
紀伊徳川家バージョンや越前松平家バージョンではまた違った人選になっているようで、関係の深い人物を選んで嫌いな人物を選ばないというのは分かりやすい。

また、家康の祖父・清康が信忠の息子ではなく弟だったのではないか?という著者の考察や、松平諸家が一門扱いされなかった事情、関東入国後の扱いが秀吉からの心証・知名度によって左右されていることなどが書かれているのも興味深い。
(若くて城主になっていなかったから本多忠勝・榊原康政・井伊直政は小牧・長久手の合戦で活躍して秀吉の印象に残った一方、徳川家で序列が高かった天野康景が使いとして秀吉のところに行くと「知らない奴を寄越すな!」とキレたらしい)

そして、十六人のキャラクター解説がなされている。
酒井忠次や榊原康政の智将ぶり、派手なイメージがある本多忠勝や井伊直政が大軍を指揮する将としては疑問符が付くこと、大久保忠世が猪武者で使いどころを選ぶ必要がある人物だったこと、著者からすると『忍者ハットリくん』のモデルでもある服部半蔵の戦績がしょぼいと感じられたことなど、通説のイメージと異なる話が書かれているのも読みごたえがあった。

放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」に便乗した本だろうと思って気軽に読み始めたのだが、思った以上に良かった。





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関連タグ : 徳川家康,


宮崎 正勝 (著)
PHP研究所 (2022/8/18)


ロシアのウクライナ侵略、中国による一帯一路戦略など、地政学で言うところのハートランドの大陸勢力がなぜこのような「大陸シンドローム」と言われる行動をするのかを解説している作品。

ロシアも中国も、中央ユーラシアを支配したモンゴル帝国に支配された歴史があり、それぞれ西欧に対してはビザンツ帝国の後継、中華世界に対しては中華帝国の後継として、そしてユーラシアの草原世界に対しては遊牧民の支配者であるハンの後継として振る舞ってきた部分が共通している。

どちらも、多くの民族や勢力が存在して強権でしかまとめられなかったために欧米や日本のような形で民主国家になりづらかった、あるいはなれないかもしれないことが分かってくる。

そして北欧、東欧、中東、東南アジア、東アジアなどが大陸勢力と海洋勢力の緩衝地帯となるか、戦いの舞台になるかの歴史が繰り返されてきたことが書かれていて、アメリカや日本が取るべきなのは長期的には封じ込めしかないのかな?と考えてしまう。

テーマがかなり重いものではあるが、それだけに読みごたえもあった。





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関連タグ : 宮崎正勝,


水野 一晴 (著)
KADOKAWA (2022/6/10)


先日読んだ『自然のしくみがわかる地理学入門』の姉妹作で、農業、人種、民族、言語、宗教、都市、人口、環境など、人文地理学の話が多く扱われている。

乾燥地帯にある畑はセンターピボットと呼ばれる円形のものが多いらしく、理由は地下からくみ上げた水を回転して撒くためにそうなっているという話や、タピオカの原料でもあるキャッサバが干ばつに強いものの商品作物に置き換えられたことで飢饉が深刻になっている話、ヨーロッパやその植民地の都市は広場を中心に放射状に広がる形のために一定以上の交通量だと渋滞がひどくなる傾向にあることなど、本書でも興味深い話が多く扱われている。

著者がフィールドワークや旅行で遭遇したエピソードも多く扱われていて、過去の植民地支配の影響、多国籍企業による横暴、人種差別を受けたらこんなにいやなものだったなど、人間に関する話が多いだけにかなり言いたいことが多いことが伝わってくる。

近いテーマの作品だと、予備校教師の宮路氏が書いた『経済は地理から学べ!』の方が読みやすかったという印象がある。

宮路氏の近著である『ニュースがわかる!世界が見える!おもしろすぎる地理』も読んでみたいと思っている。





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