fc2ブログ
読んだ本の感想をつづったブログです。



柳田知怒夫 童門冬二 (著)
1979/1/1


戦国武将5人が登場するオムニバス型の「戦国の名将たち」と、ポルトガル人から種子島に鉄砲が伝来してその製法についての言い伝えを元とした「鉄砲伝来物語」の2作から構成される歴史小説。

小学生か中学生の頃に親戚からもらって自宅に置いてあったものを読んだと記憶していて、振り返ると本作が戦国武将たちに対するイメージを持つのに影響があった作品だと考えている。

「戦国武将物語」では、三好氏から圧迫されていた室町幕府13代将軍足利義輝の5人の側近たちが、それぞれ北条氏康、上杉謙信、武田信玄、今川義元、毛利元就の5人のところに派遣され、室町幕府を助けるために上洛を働きかけるというストーリーになっている。

5人が戦国武将に仕える過程でそれぞれのキャラクターが伝わってくるところが、今思うと丁寧に作り込まれた構成だったと思う。

多分本書を読んでいなかったら、後北条氏と対立した上杉氏や中国地方で毛利元就が台頭する前に勢力を誇った大内氏や尼子氏の話など、知ることが遅くなった可能性が高いような気がする。

そして「鉄砲伝来物語」は、鉄砲が伝来した種子島で領主から鉄砲の制作を命じられた職人が…という話で、印象には残っているものの、「言い伝え自体がちょっと苦しいんじゃ?」という感想を持った記憶がある。

いい作品は記憶に残ると感じたり、現在再読したとしても当時ほど面白くは読めないだろうと思ったりした。



にほんブログ村 本ブログへ


塩野 七生 (著)
新潮社 (2009/5/28)


中世のヴェネチア共和国を描いた歴史読み物の3/6巻。

イタリアの四大海洋国家として、ヴェネチアとともに地中海の交易で繁栄したアマルフィ、ピサ、そしてヴェネチアのライバルとして何度も戦いを繰り広げてきたジェノヴァの話が多く書かれている。

アマルフィは本国がノルマン人に征服されたことで、ピサは隣接するフィレンツェやジェノヴァの圧迫や皇帝党と教皇党の争いに巻き込まれて衰退したことで脱落し、ヴェネチアとジェノヴァによる地中海や黒海の貿易利権をめぐる戦いが書かれている。

個人主義で商人・軍人・海賊として有能だが内輪もめを繰り返すジェノヴァと、個の力ではジェノヴァには劣るが組織力や粘り強さがあるヴェネチアといった形で戦いがなされ、宗教や思想ではなくあくまで経済利権(のみ)の争いのためにお互いの被害が一定以上になると20~30年ほど休戦しているのも印象に残る。

組織で戦う傾向が強いヴェネチアにも英雄は出現するわけで、ライトノベル『幼女戦記』の作者のペンネームであるカルロ・ゼンがヴェネチアで大活躍した将軍の名前に由来することを初めて知った。

近隣のビザンツ帝国、フランス、ローマ教皇、ミラノ、ハンガリーといった周囲の勢力をめぐる外交戦もあり、これもまた中世のイタリアの一面ということなのだろう。

後半ではヴェネチアの女性やファッション、建築といった話がなされていて、興味深い話とそうでもない話の差が出ている。

次はコンスタンティノープルを征服したオスマン帝国がヴェネチアの前に立ちふさがり・・・といった話になるようで、これも読んでみるつもりである。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 塩野七生,


稲垣 進一 (著), 悳 俊彦 (著)
東京書籍 (2018/8/29)


歌川国芳が描いた浮世絵の中で、動物を擬人化したものや、妖怪などを描いたものを紹介・解説している作品。

「国芳と言えば猫」といった感じで多く描かれている猫をはじめ、蛙、金魚、狐、狸、鳥や魚といった生き物、そして天狗、土蜘蛛、龍、妖怪などのフィクションの世界のキャラクターの絵が収録され、細かなこだわりや面白さを存分に楽しむことができる。

以前福岡市博物館「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」展で観た、歌舞伎役者を亀に見立てた絵や、擬人化した雀が吉原にいる絵もあったので、懐かしく思いながら読んだ。

干支の動物を擬人化した絵、玉手箱から善玉と悪玉の顔の人物が多数出てくる絵、歌舞伎の場面を演じている蛙などの絵なども印象に残り、楽しい1冊だった。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 歌川国芳,


メガロマニア (編著)
竹書房 (2018/8/2)


「機動戦士ガンダム」に始まるガンダムのプラモデル、通称ガンプラのカタログ本。
初期のものから、発行された2018年前半頃までのものまで紹介されている。

ファーストガンダムからVガンダムの宇宙世紀シリーズ、90年代のG・W・X、21世紀のSEEEDやSEED・DESTINY、00など、アニメを観ているもの、「スーパーロボット大戦」や「G-GENERATION」のようなゲームで知っている作品、ほとんど知らない作品など、多くのガンプラを見て楽しむことができる。

同じモビルスーツのガンプラでも初期の素朴な感じのものから、HGやMG、PGなど後になってより精巧でさまざまな動きを再現できるものになっていて、タイプによっては組み上げるのにかなり時間と手間がかかりそうだとも感じた。

また、子供の頃によく遊んでいたSDガンダム・BB戦士も掲載されていて、400くらいあるうちの100くらいまでは分かるがそれ以降が(多分)初めて見たものだと思う。

しばらく見ないうちに、さらに種類が増えたことに隔世の感を受ける。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : ガンダム,


塩野 七生 (著)
新潮社 (2009/5/28)


中世のヴェネチア共和国を描いた歴史読み物の2/6巻。
本作では前半がヴェネチアの商業、後半がヴェネチアの政治システムについて書かれている。

商業では、ヴェネチアが現代で言えばシンガポールのように国のサイズが小さくて「行政指導」をやりやすいというか、やらなければ国を保てないという事情から、各地で活動する商人たちから情報を収集し、必要に応じて艦隊を派遣するなどの話が書かれている。

東地中海に海軍に護衛された定期航路を運航することや、ムスリムとの貿易を嫌うローマ教皇からの干渉に対しては中東に住むアルメニア人の都市をダミーとして貿易するという裏技、賄賂による腐敗を防ぐために罰金を高額なものにするなどの活動が印象に残る。

そして、政治では共和制を維持するための方策がいくつも書かれていて、現代的な観点からは民主的と感じられない部分も多いが、当時としてはそうするだけの理由があったことも書かれているので納得しやすい。

英雄が出現して君主制になるとローマ教皇や神聖ローマ皇帝の支配下に入らされる公算が高くなり、民主的にやりすぎるとポピュリズムや扇動者による問題が発生するわけで、これはいつの時代でも問題になっていることが分かる。

ヴェネチアでは元首(大統領みたいな存在)に補佐官を複数付けて独断で政治ができないようにしたり、ローマ・カトリックの干渉を排除した手法、終身議員を増やすという一見反動的と見られる手法が人材確保に効果を発揮したらしいことなど、政治の奥深さとヴェネチア人、中でも政治改革を成し遂げた元首のグラデニーゴの知恵に凄みを感じる。

次の3/6巻ではライバルに当たるジェノヴァとの関係などが書かれているようなので、これも読んでいくつもりである。




にほんブログ村 本ブログへ

関連タグ : 塩野七生,