日付 | 記事タイトル |
2023/04/29 | 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 5』 |
2023/04/27 | 『ゆで卵の丸かじり』 |
2023/04/24 | 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 4』 |
2023/04/23 | 『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』 |
2023/04/22 | 『戦国の名将たち 鉄砲伝来物語 物語日本史5』 |
2023/04/21 | 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3』 |
2023/04/20 | 『歌川国芳 いきものとばけもの』 |
2023/04/19 | 『ガンプラ画報』 |
2023/04/18 | 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 2』 |
2023/04/16 | 『スゲーぞニッポン! ヤバすぎ技術にむせび泣き!』 |
2023/04/15 | 『徳川家康の地政学 なぜ、家康は天下人となったのか?』 |
2023/04/13 | 『盗賊会社』 |
2023/04/12 | 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1』 |
2023/04/11 | 『私、ショッカーの味方です』 |
2023/04/10 | 『知識ゼロからのビジネス論語』 |
2023/04/09 | 『君はもっとできる』 |
2023/04/08 | 『北条義時-鎌倉殿を補佐した二代目執権』 |
2023/04/05 | 『手数料と物流の経済全史』 |
2023/04/04 | 『断絶への航海』 |
2023/04/02 | 『項羽と劉邦(上・中・下)』 |

塩野 七生 (著)
新潮社 (2009/6/27)
中世のヴェネチア共和国を描いた歴史読み物の5/6巻。
大航海時代になってポルトガルがインド洋から紅海の貿易ルートを抑える時期があったり、続いてスペインが台頭してオスマン帝国との間で板挟みになるなど、ヴェネチア単独では事態を打開できない時期に入っている。
進取の気質があるのに大西洋やインド洋への進出がなかったことについて、実は東地中海でもオスマン帝国やサファヴィー朝ペルシアの巻き返しがあったことで意外と貿易が落ちなかった話や、経済情勢の変化に応じて手工業や農業でも儲けるようになった話が書かれていて、単純に衰退していったわけでもないことが分かる。
また、共和制の弱点である決断から行動への遅さについては、元首や補佐官、十人委員会などから構成される40人くらいの中枢を占める人々によって緊急時に重要な決定を下すことができるという、統治能力のシステムを構築したことで君主制の国と渡り合う話も興味深い。
しかし、共和制で強制労働をさせられる人々がほとんどいないこと、後背地から人員を集めることが難しいことなどから、兵力の不足には常時悩まされていることが書かれていて、このために大軍を編成できるオスマン帝国とスペインなどには単独で戦えないことが語られている。
スペインがオスマン帝国を破ったレパントの海戦でもヴェネチアはローマ教皇軍とともにスペインと連合を組んだものの、スペインとの利害が一致せずに戦力を十分に運用できないのは小国のつらさということになりそうである。
面白いので思っていた以上に早く読み進んできたが次が最終巻、ナポレオンに滅ぼされるまでの話となるのでこれも読む。
- 著者の作品について書いた記事
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1』
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 2』
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3』
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 4』
- 『ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 』

東海林 さだお (著)
文藝春秋 (2014/7/10)
東海林さだおによる食べ物がらみのエッセイ本の33冊目。
時期が2010年前後のため、食べるラー油を品薄の中探して食べてみた話や、「・・・じゃダメなんですか?」という特定野党の議員のセリフをいじる話などが時節を感じる。
炭酸水で冷たいお茶漬けや薄めた冷そうめん、冷たい味噌汁などを試したら意外とおいしいという話や、食べるラー油をたらこマヨネーズのスパゲティに和えるのがたまらなくおいしいなど、意外な組み合わせの話が興味深い。
ちくわ天そばは長いままで橋状に乗っていないとイヤで3軒もはしごした話や、タイトルにもあるゆで卵の正しい食べ方についての考え、スープ炒飯という存在への疑問など、食べものへのこだわりが面白い。
スリランカカレー店のメニューにあるドライカレーは炒めたライスとスープカレーで構成された感じなので、まあカレー版スープ炒飯と言えなくもなく、これはこれでおいしい。
- 著者の作品について書いた記事
- 『いかめしの丸かじり』

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塩野 七生 (著)
新潮社 (2009/6/27)
中世のヴェネチア共和国を描いた歴史読み物の4/6巻。
本作ではオスマン帝国との戦いと、エルサレム巡礼をパック旅行にした話が収録されている。
オスマン帝国はコンスタンティノープルを陥落させてビザンツ帝国を滅亡させたことで、東地中海や黒海の貿易利権をビザンツ帝国から得ていたヴェネチアは窮地に陥る。
ジェノヴァとの戦いでは同じ海洋国家でカトリックという共通点があるために被害が一定以上になると交渉がしやすい部分もあったが、オスマン帝国は異教徒のムスリム、多数の兵力を持つ陸軍国、そして西欧的な交渉や利害得失の計算が通用しない相手ということがあり、大陸に近い拠点や大きな島を占拠されるシーンが多く出てくる。
また、多くの人が予想していなかったコンスタンティノープル占領を成功させた英傑・メフメト2世(本作ではイタリア語読み?でマホメッド2世と表記)が活躍する分、ヴェネチアは苦しめられる形になっている。
後半ではイギリスやフランス、ドイツ、イタリアなどからエルサレムへ巡礼に行く人々に対し、ヴェネチアがさまざまな便宜を図って観光業で儲けていたかの話が書かれている。
ミラノの司祭の日記をもとに、ヴェネチアでは船が出るまでに多くの施設や聖遺物などの観光、ヴェネチア政府の公務員でもあるコンシェルジュに当たる人々のサポート、そして航海でもヴェネチアの船を使ってヴェネチア領でももてなすなど、現代でもやっていそうな手法を取っているのが印象に残る。
海軍はすごいが人口や陸軍に大きな弱点を抱えるヴェネチアが次に直面するのは大航海時代ということで、そのあたりを描いた第5巻も読んでみる。
- 著者の作品について書いた記事
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1』
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 2』
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3』
- 『マキアヴェッリ語録』
- 『ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 』

理央 周 (著)
日本実業出版社 (2023/3/10)
以前読んだ『サボる時間術』の著者による、効率いい仕事の仕方をいい手法とダメな手法の2つで対比して紹介している作品。
簡単に言えば作業する前の段取り・準備と、作業した後のフィードバックをきちんとやりましょうというもので、例えば打ち合わせをするなら事前にアジェンダを送ったり根回しをし、打ち合わせ後に議事のメモを送付するといったものである。
他人にも事前のインプットや事後の確認の手間が必要なわけで、それらをマメにすることで無駄な時間を減らす効果があり、仕事を続けるうちに気付いたり気付かされたりして実行に移しているものもけっこうあった。
面倒だけど習慣づけると効果があるものは、皆ができるようになるにはハードルが高いということだろう。
- 著者の作品について書いた記事
- 『サボる時間術』

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