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玉木 俊明 (著)
東洋経済新報社 (2022/9/30)


近代ヨーロッパの経済史を専門とする歴史学者による、これまでの著作の内容を深化して地域や時間軸を広く取った形での物流や経済についての歴史を語っている作品。

タイトルに手数料とあるが、手数料の話は近代のイギリスの話以外ではそれほど多く言及されていない。

これまでの著作からは『逆転の世界史 覇権争奪の5000年』『迫害された移民の経済史 : ヨーロッパ覇権、影の主役』の2冊から採られた話が多く、海運への無関心や自国が優位なこと前提だったり海外で産出する銀に依存したことで中国がヨーロッパに負けたことや、セファルディム(イベリア半島を追放されたユダヤ人)やコンベルソ(カトリックに改宗した元ユダヤ人)、アルメニア人のように故地を追われた人々が交易で果たした大きな役割の話が多く書かれている。

他の著作で多分あまり読んだことがない話としては、例えばサファヴィー朝ペルシアでアルメニア人が絹と銀の交易で儲けていたのは日本産の銀が流通していたからこそで、日本で銀が採れなくなって禁輸してからは儲けられなくなってサファヴィー朝も衰退した話などが印象に残る。

著者があまり詳しくないと思われる古代の話では話がありきたりで面白く感じられなかったところもあるが、産業や交易の話が多くなるにしたがって興味深い話が多くなってくる。




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