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読んだ本の感想をつづったブログです。



岡本 光生 (著)
中経出版 (2000/9/1)


『韓非子』の思想や受け入れられ方などを分かりやすく解説している作品。

よくある解説書だと思って読み始めたのだが、著者の韓非が生きた時代や王子としての境遇から想定された考えや、思想の限界や弱点についても書かれているのが強く印象に残った。

韓非が生まれた韓王国は隣国の秦に圧迫され続けた小国で、当時の技術的な限界もあって生産や供給を増やすことができなかったことから、各人の欲望を「法」の力で抑えつける思想になったことが分かってくる。

これが韓非の師匠に当たる「性悪説」で知られる荀子では、欲望を抑えるのが各人の「礼」という話になっていて、より手っ取り早く目的を達成しようという考え方になったのだろうと感じた。

韓非が王子という立場のために視点が宮廷内のことが中心で、商工業者や論客を敵視する考えがその後の中国に悪影響を与え続けてきたと思われる話も書かれていて、これもまた中国的な思想ということなのだろう。
(意外に感じる人も多いかもしれないが、孔子や孟子は商業の役割を適切に評価できていたらしい)

また、法は西洋のように君主の暴走を抑えるためのものではなく、君主は法の適用範囲ではなく法は配下や人民を支配するためのもの、という考え方となっていることも書かれている。
このあたりが中国が「法治」の国ではなく「人治」の国だとされることにつながっているのだろう。

統治論として『韓非子』と比較されることがあるマキャベリの『君主論』の話もあり、仮にマキャベリが『韓非子』を読んだらスケールの小ささに驚いたのでは?という推察や、マキャベリと境遇が似ているのは孔子という話も面白い。





『韓非子』に学ぶリーダー哲学
竹内 良雄 川崎 享
東洋経済新報社 2017/4/28



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菅下 清廣 (著)
実務教育出版 (2023/6/28)


昨今の政治や経済の情勢と長期的な展望、そして株式投資のポイントを語っている作品。

展望としてはアメリカを中心としたインフレと円安は当分続くものとしていて、これらは日本経済に好影響を与え、バブル期を超える株高になるとの話がなされている。

背景としてはロシアのウクライナ侵略や米中冷戦の本格化による資源の高騰があり、不安要素はあるものの日本は結果的に恩恵を受けられるという見立てである。

日銀の金融政策もポイントで、総裁となった植田和男氏が前任の黒田東彦氏の金融緩和路線を継続するのも好影響を与えているという。

反対にバブルのつぶし方を失敗した三重野康とデフレ大不況を招いた白川方明は反省や謝罪もしないとんでもない人々だと語っているのも印象に残る。

その後、著者の作品でしばしば登場する波動理論やチャートの話になっていて、必ずしも理解できるところばかりではないものの一定の説得力がある。

株高が続いたとして発生するのは、株式を保有している人とそうでない人での格差が拡大していくという話で、多少は投資経験を積んでいて良かったと思っている。

本書の後半では今後有望な株式の銘柄50が紹介されていて、日本郵船や日本製鉄、三菱重工のような重厚長大産業が目立つ。

先日購入した中古車が出品されていたオークション会場を運営するユー・エス・エスも一覧に入っていて、「ああ、あの会社か!」という感じで強いインパクトがあった。

来年に新NISAの制度が始まって節税をするために今年は投資を控えめにしているが、新規で購入したり既に保有している株式からの乗り換えに当たっては本書の内容を参考にし、投資銘柄を選ぶ準備を進める。




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関連タグ : 菅下清廣,


谷仲ツナ (漫画), たけだひで&いずみ (原作)
KADOKAWA (2015/12/18)


関東出身の夫と福岡出身の妻が語る福岡県民の風習をコミック化している作品。
地域は異なるが、以前読んだ『北のダンナと西のヨメ』に感じが似ている。

うどんがラーメン以上に食べられていることや福岡市周辺ではごみの収集が夜間など知っている話もあり、海藻を固めた「おきゅうと」という食べ物や待ち合わせに遅れた時に使う言い訳の「博多時間」のようにあまり知らなかった話もありで面白い。

夫のひで氏が、福岡の魅力にハマっている過程が分かるのも楽しい。



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板野 博行 (著)
三笠書房 (2021/11/29)


鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』の内容と、編集責任があった北条氏による曲筆の疑惑などを分かりやすく語っている作品。

天台座主で関白・九条兼実の弟でもある慈円を語り手としている。
この慈円は『愚管抄』を著していて、第一次史料である分だけ『吾妻鑑』よりも記述が正しいとされている。

内容としては「鎌倉殿の13人」に出てきた話がやや通説寄りで語られていて分かりやすい一方、近年の歴史研究の結果があまり反映されていないので物足りない部分もある。

「慈円が語る」という形式のために、少し踏み込んで「こうだったに違いない」みたいな書き方をしていると思われる。

中には他の関連書であまり書かれていない、源(土御門)通親という公家と丹後局という後白河法皇の愛人の2人が、朝廷や幕府の要人たちを手玉に取って政治を引っ掻き回した話なども興味深い。




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安藤 昭太 (著), 宮崎 翼 (著), NoCode Ninja (著)
インプレス (2021/6/23)


プログラムコードを書く必要なくアプリやWebページ、データベースなどを作成する、ローコードツールの紹介や技術動向を解説している作品。

コードを書く必要がないのでシステム担当やSEでない一般の従業員がシステムを作る際のハードルを下げる効果が大きい一方で、システム構築をする場合のイメージや考え方がないと使いこなせないとも感じていて、なるほどと思いながら読んだ。

そして、ローコードツールは3~4種類に大別され、ウェブデザイン系、データ管理/顧客情報管理系、タスク自動化ツール、オールインワン系(前述の3種をすべて含むもの)ということになる。

それぞれの具体的な製品・サービスも紹介されていて、この中ではデータ管理/顧客情報管理系として、サイボウズ社の「kintone」にたいして非常に関心があり、もっと調べてみようと思った。

他にも、クラウドサービス間のデータ連携を自動的にしてくれるツールとして「エニーフロー」などがあることや、スマホで基幹システムへのデータ入力を可能とする「ユニフィニティー」などの事例も参考になった。

勤務先に導入するには費用を認めてもらうためにどのように提案するか?説得するか?ということも含め、色々と考えたり試したりしたい。



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