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読んだ本の感想をつづったブログです。



日付記事タイトル                                      
2023/10/26『かわいい禅画 白隠と仙厓』
2023/10/23『実とタネキャラクター図鑑: 個性派植物たちの知恵と工夫がよくわかる』
2023/10/22『美どらま 日本美術史ナナメ読み』
2023/10/19『徳川家康 弱者の戦略』
2023/10/18『コンテナから読む世界経済 経済の血液はこの「箱」が運んでいる!』
2023/10/17『土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎』
2023/10/16『コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ』
2023/10/15『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。よりぬき・月がキレイですね編』
2023/10/14『プロレス深夜特急: プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』
2023/10/13『地図でスッと頭に入る中国戦国時代』
2023/10/12『伊藤若冲「池辺群虫図」より 生きてる』
2023/10/11『コロボックル物語1 だれも知らない小さな国』
2023/10/10福岡市美術館「日本の巨大ロボット群像 -巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-」
2023/10/09『バビロンの大富豪』
2023/10/07『かわいい妖怪画』
2023/10/06『室町将軍の権力 鎌倉幕府にはできなかったこと』
2023/10/04『雑草キャラクター図鑑: 物言わぬ植物たちの意外な知恵と生態が1コママンガでよくわかる』
2023/10/03『会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語』
2023/10/01『コロボックルの小さな画集』



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矢島 新 (著)
東京美術 (2016/4/26)


江戸時代に活躍した禅僧の白隠と仙厓による、ゆるくかわいい感じの禅画を紹介している作品。
割合は仙厓の方が多く、白隠の2倍以上の絵が収録されている。

自らの自画像、達磨などの禅僧、子供、犬や猫、猿といった動物、七福神や鍾馗のような空想上のキャラクターなどが禅画として収録され、見ていて楽しい。

禅ということで見た人に考えさせるテーマを扱っていたり、仙厓に絵をねだってくる知人をネタにしているなど、面白い要素が多い。

そして、2人とも若い頃はかなり技巧的な絵を描いていて、ヘタウマみたいな絵を描くにもベースとなる技術やイメージ把握が必要なのだとも思わされた。

江戸時代の町人風の作品が多い、イラストレーターの山田全自動氏が描くにっこりした表情の人物は、白隠の絵の影響を受けているのではないか?とも感じた。




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多田 多恵子 (著)
誠文堂新光社 (2017/8/1)


さまざまな植物の実と種をキャラクター化し、それぞれどのように増えるための戦略を持っているのかを紹介している作品。
先日『雑草キャラクター図鑑: 物言わぬ植物たちの意外な知恵と生態が1コママンガでよくわかる』を読んで面白かったので、テーマが近い本書を読んだ。

風で種を飛ばすもの、実が破裂して種を飛ばすもの、鳥や虫、菌類を利用するものなどと多様なタイプがあり、見た目も堅い殻のものや軟らかい果肉を持つもの、毒や臭いで周囲の生物を選別しているものなどが解説されている。

これも先日読んだ本で『土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎』の中で土偶にはクルミやトチノミを模したものがあるとの説があったが、このあたりの解説を読むとよりイメージがしやすくなったのも良かった。




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真船 きょうこ (著)
KADOKAWA (2016/8/24)


明治時代、日本に博覧会の取材に訪れた英国人の女性記者に対し、日本の書生が日本美術史を解説するという設定で描かれたコミックエッセイ。

古代から明治時代にかけて、縄文の火焔式土器、阿修羅像、源氏物語絵巻、龍安寺石庭、唐獅子図屏風、北斎の神奈川沖浪裏、高村光雲の老猿などが扱われ、その時代のエピソードが語られている。

絵のタッチはあまり好みではないが、龍安寺が応仁の乱で焼失していていつ石庭が造られたのか今もよく分からないなど、日本美術であまり知らなかった部分などを知ることができたのは良かった。




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磯田 道史 (著)
文藝春秋 (2023/2/17)


家康が周囲を強敵に囲まれた境目の領主だった境遇から、共進化を起こして強い領主へと変貌を遂げていった過程を解説している作品。

最近の研究結果の他、必ずしも信ぴょう性が高いとは言えない二次史料から、どのように家康が見られていたかも含めて書かれている。

家康が三河の家臣たちから支持されていたのは幼少期に人質になっていてあまり知られていなかったからでは?という逆説や、武田信玄・勝頼父子と戦い続けたことで軍事だけでなく謀略の面でも成長できたと思われる話、武田の謀略が家康の長男・信康だけでなく信長も殺したと考えられることなど、あまり読んだことがない話も多く書かれていて興味深い。

他には、随所で紹介される重臣・酒井忠次の有能なエピソードや、家康の関東移封に際して前田利家が旧北条家の家臣を雇い入れて嫌がらせをした話などが印象に残る。




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