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読んだ本の感想をつづったブログです。


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ペリカン (解説), 柳生大穂 (編集), 夢野ゆめじ (イラスト)
standards (2023/8/29)


高配当株投資でFIREに成功したブロガーによる、高配当株投資のポイントを語っている作品。
先日受け取った株主優待のクオカードで購入した。

表紙にはよくある漫画仕立ての本に見えるが、漫画部分は最初の導入部だけでほとんどが活字になっており、あの手の漫画仕立てが苦手な者からすると安心して読むことができた。

株価の上下によって取得価格からしての配当利回りを確認することや、購入タイミングを気にしすぎないことなど、現在想定している投資方法とそれほど差がない内容だったので、非常に参考になった。

来年から新NISAが始まるが、積み立てでない部分は配当株重視でやっていこうと考えている。




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投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識

ハワード・マークス (著), 貫井 佳子 (翻訳)
日本経済新聞出版社 2012-10-23

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オークツリーというアメリカで長期にわたりリターンを出し続けてきた投資信託会社の創業者による、投資する場合の考え方を20項目にわたって語っている作品。

投資経験のある者として重い内容に感じたのか、読むのにちょっと時間がかかった。

著者が顧客向けに出してきたレターを随所で引用しており、ITバブルや不動産バブル、そしてリーマンショックなどが発生した際に多くの人々がどのような行動をし、著者がどのように考えていたのかが書かれているのが印象に残る。

著者のスタンスは相場がいい時期に大きく儲けるというよりも、相場が悪い時期も損失を抑えて暴落で価格が下がった資産を購入するというもので、長期にわたり続けられてきたのも理解しやすい。

多く書かれているのはリスクに対してリターンが見合っているのか?を判断することや、本質的な価値が分かれば投資の可否を判断できるだろうこと、周囲の状況などから相場のサイクルが楽観的な時期か悲観的な時期かを見極めることなどで、ウォーレン・バフェットをはじめとする多くの投資家たちから絶賛されたのも分かる。

投資を自己資金でやる分には「投資をしない時期」を設けても他人から口出しされることはないが、顧客から資産を預かって運用する投資信託会社の場合はそうもいかないので、かなり大変な仕事だとも感じた。

著者の言うところの「スキルがある」投資家になることはできそうにないが、バブルの時期に一旦それに入っていいのか考えることや、暴落の時期に勇気をもって逆張りを考えることは意識しておきたい。




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宮路秀作 (著)
SBクリエイティブ (2023/8/5)


予備校での人気講師による、地理が現代史に及ぼす影響を紹介している作品。

現在ニュースになることが多いロシアによるウクライナ侵略や、イスラエルと中東諸国の複雑な関係、中国による侵略活動の他、日本でニュースになることが少ないアルメニアとアゼルバイジャンの紛争などが書かれている。

宗教や民族の分布が国境と合っていない事情や、複数の大勢力の間に挟まれていたりそこを通るしかない通商ルート上にあること、気候的に作物が取れたり取れなかったりすることで、戦争や内戦、政変が起こってきた事情が分かってくる。

さらっと読むことができる構成だが、インド、パキスタン、バングラデシュ、中国などが第二次大戦後に揉めた状況や、ナイジェリア島南部で石油が出たことでビアフラ戦争が発生したこと、フランスが原子力発電を重視するようになったのは石油の利権争いに敗れたためだったなど、これまであまり理解が十分でなかった話が多かったので興味深く読むことができた。




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陳 舜臣 (著)
講談社 (1991/3/7)


作家・陳舜臣による、中国の歴史を解説したシリーズの第6巻。

洪武帝(朱元璋)死後の内乱(靖難の変)で永楽帝が勝利したあたりから、明から清になって康熙帝・雍正帝・乾隆帝の黄金時代と、イギリスが密輸したアヘンによる弊害が出だした時期までが扱われている。

明が頻繁な粛清・処罰による人材の質と意欲の低下、秘密警察の配備、永楽帝の時期から宦官が権力を握るようになったこと、お互いを徹底的に攻撃する派閥争い、官僚の給与の低さによる汚職の蔓延、重税や厳罰に起因する内乱の頻発、万暦帝のような暗君の続出・・・と、外患だった北虜南倭(モンゴルと倭寇)以上に、内部の問題が多すぎるという、中国の王朝のダメなところが凝縮されたような時期だったことが読んでいて伝わってくる。

著者もひどすぎると思っていたのか、民間から皇帝の母親になる人物が多く出たり、外戚がのさばることが少なかったこと、皇帝の独裁権が強い分だけ代替わりの時期に悪政をリセットできたことなどが長く続いた理由かもしれないとフォローしているのも印象に残る。

明は農民反乱である李自成の乱で滅び、その李自成の順王朝を滅ぼして天下を取ったのが女真族→満洲族の清だったが、前の明の政治が悪すぎたのと、人口が少ない満洲族が多数の漢族を支配しなければいけない事情により、名君を多く出していることもなんとなく理解しやすい。

モンゴル系やトルコ系の民族のようにお家騒動で分解しないために康熙帝が実施した、後継者の指名が皇帝の死後に公表されるシステム以外ではどんなものがあったのか?は多くは書かれていなかったようなので少し気になった。

この巻で扱われた時期は歴史小説などで扱われることが少ないように感じるが、読んでいて楽しい要素が少ないためだろうと理解できた。




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