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エミン・ユルマズ (著)
ビジネス社 (2023/3/1)


中国やロシアの先進国経済からのデカップリングとそれに伴うインフレ傾向、欧米などを中心に便乗値上げなどもあっての格差拡大といった世界情勢を見つつ、日本は無人化技術や需要を中国から奪うことで経済成長していくという見通しを語っている作品。

中国とロシアが野心を隠さない行動をとるようになった背景には現在の体制を維持できないという焦りがあるのでは?という考察や、アメリカでは二大政党のどちらにも支持したくない大きな理由がある上に富裕層や大企業のロビー活動を受けているという絶望、トリクルダウン理論がまやかしだったとの話など、色々と手詰まり感がある国が多いことが分かってくる。

また、サブスクがもてはやされるようになった傾向に対しては資産を持たせないという新たな格差拡大の一種では?という視点を提示していて、これは古代のローマ帝国で「パンとサーカス」でガス抜きをしていたことを連想した。
(現代ではパンがベーシックインカムやフードクーポン、サーカスがサブスクでのエンタメに当たる)

日本については、原材料の高騰をすぐには価格に転嫁しない美徳や、人手不足に対して無人化・省力化の技術での対応、関連技術が追い付いたことで複数の企業が持つ技術がより効果を上げ始めていることで、株価を上げる企業が増えるであろうとの観測をしている。
来年から新NISAが始まることもあって、どの企業に投資するかを考えているところだったために参考になる話が多かった。




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