FC2ブログ

『河鍋暁斎 暁斎百鬼画談』:雨読夜話

ここでは、「『河鍋暁斎 暁斎百鬼画談』」 に関する記事を紹介しています。
河鍋暁斎 暁斎百鬼画談 (ちくま学芸文庫)
河鍋暁斎 暁斎百鬼画談 (ちくま学芸文庫)
安村 敏信
筑摩書房 2009-07-08

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
鏡花百物語集―文豪怪談傑作選・特別篇 (ちくま文庫)
河鍋暁斎戯画集 (岩波文庫)
太宰治集 哀蚊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)
折口信夫集 神の嫁―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)
ゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)


幕末から明治初期にかけて活躍した絵師の河鍋暁斎による百鬼夜行絵巻をカラーで掲載し、学者たちによる解説がついている本。

百鬼夜行絵巻は室町時代頃から描かれていたおなじみの題材のようだが、暁斎が描いているだけあって、雑然としているように見せかけて実は・・・という仕掛けが施されていると解説されている。
例えば妖怪の向きや冒頭で怪談話をする人々の絵、妖怪たちが逃げ惑う朝日の形状などが該当する。
また、真珠庵本などの従来の百鬼夜行絵巻に描かれてきた付喪神などの他に、ぬらりひょんやガイコツ軍など江戸期に多く描かれたキャラクターを取り混ぜている遊び心が楽しい。
絵のタッチにしても、もののけたちの配置を対角線上にしていることで躍動感を持たせるなどの工夫がなされている。

そして暁斎自身の業績や生涯についても解説がついており、子どもの頃、洪水の日に生首を拾ってきて写生を行っていたなどのエピソードが書かれており、作風同様にかなり強烈な人物だったようである。

現在暁斎の業績が埋もれがちなのは、暁斎の作風が狩野派とも浮世絵ともどちらでも取れるところや江戸絵画と近代絵画の端境期にあった他、風刺画など低俗と取られがちな作品が多かったためらしいが、本人がどれほどこうした評価を求めていたのかはよく分からない。
建築家のコンドルを弟子にするなど画法を伝えることについては間違いなく熱心だったはずだが、美術界の評価を求めようという気はあまりなかったのかもしれない。
同時代の中では飛びぬけた技法の持ち主でありながら、大衆が喜んで買うような戯画も精力的に描いたというサービス精神は素晴らしいと思う。


にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




関連タグ : 河鍋暁斎,

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック