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『啄木・ローマ字日記』:雨読夜話

ここでは、「『啄木・ローマ字日記』」 に関する記事を紹介しています。
啄木・ローマ字日記 (岩波文庫 緑 54-4)
啄木・ローマ字日記 (岩波文庫 緑 54-4)
石川 啄木 (著), 桑原 武夫 (翻訳)
岩波書店 1977-01

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石川啄木が書いていた日記のうち、東京に住んでいた中の2ヶ月間あまりの間はローマ字で書いており、これに現代語訳と解説がついている本。
先日読んだ『石川くん』の中で、本書から引用したと思われる啄木のダメダメだがちょっと憎めないところが書かれていて関心を持ったので読んでみた。

さすがにローマ字のままでは読むのに時間がかかって仕方がないので訳文だけを読んでいったが、若くして妻子、母親を扶養しなければならないことや文学と生活の間で大変なことを考慮に入れても、かなり自堕落な生活がつづられていてあきれる。

同じ下宿で暮らす親友の金田一京助に世話になりっぱなしなのに悪口を書いているのはまだいいとして、金田一らに金を借りたり給料を前借りして女遊びに明け暮れたり、『花のおぼろ夜』というあやしい本を書き写すことで夜更かしをするなどで会社を5日続けてサボったり、函館に残した妻子と母親になかなか仕送りをしないなど、かなり問題のある人物だったことがよく分かる。
こんなひどい男を周囲は何くれとなく助けてきたのは、啄木が才能を期待され続けてきたからだろう。

親戚などにこんな人がいたらたまったものではないが、小説に登場する人物として啄木を捉えるとかなりキャラが立っており、また自身の心情をストレートに告白されており、本書が文学作品として高い評価を受けているというのもうなずける。

日記ということで淡々と読み始めたが、啄木がさまざまなことに対して思ったり悩んだりする姿がイメージされ、妙に心に残る作品だと感じた。




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