椎名誠の人気エッセイである、あやしい探検隊シリーズの続編というか最新作。
初期の作品から20年以上が経過しており、キャンプを張っての楽しいバカ騒ぎを繰り広げるところは相変わらずだが、今作からは釣りをひとつの名目として集まっているのが特徴である。
釣りの方向性にしても、あやしい探検隊らしく通常釣り好きが狙うような一般的な魚ではなく、外道として嫌がられる雑魚を狙って鍋の出汁にでもしようという雑魚釣り隊というシチュエーションがゆるくて楽しい。
その割に各メンバーが密かに大物を狙っており、変な雑魚が釣れると他のメンバーは大喜び、本人はうつむくという正直すぎるリアクションがなされているのにも笑ってしまう。
メンバーとしても以前の椎名の学生時代の友人である沢野ひとしや木村晋介、そしてアウトドアのプロである中村征夫や野田知佑などのあやしい探検隊時代のメンバーから様変わりしているが、新たに登場した人々も個性豊かな言動を見せてくれる。
まず、これまで敏腕編集者として椎名とともに世界各地を旅してきたP・タカハシ氏が、貫禄と落ち着きのない長老というキャラにいつの間にか変貌を遂げ、つまらない話を延々と続けるシーンが随所に出てくるのがお約束のようになっている。
雑魚釣り隊から登場した西澤氏も思い切りのいい投げ釣りを好むが釣果はさっぱり、そして数々のおかしなトラブルを引き起こすなどして話を盛り上げてくれる。
あやしい探検隊の頃からいたドレイ(雑用をこなす下働きのようなポジションの若手隊員)もまた新たに登場し、さらにはゲスト的に初期のドレイを務め、現在では雑誌の編集長になり女優の本庄まなみを妻にした沢田康彦氏も参加している。
ただし偉くなっても椎名の前ではドレイに戻ってしまうあたりは当時のままである。
雑魚釣り隊が出かけるのは関東近郊や伊豆諸島、静岡県などで、堤防などでの釣りの他に船釣りを行うなどしていて、当然ハプニングの連続である。
魚群があると聞いたところに行くと昨夜に去ってしまったとか、当たりがあったと思ったら謎の気持ち悪いぐねぐねした塊を釣ってしまったりなど、笑いながら読み進めることができる。
椎名作品では海外への旅行記も面白いが、特に好きなのはやはりあやしい探検隊であり、しばらくぶりにこうした作品を読むことができて良かった。
続編も出ているので、これもぜひ読みたいと思う。
- 著者によるエッセイについて書いた記事
- 『からいはうまい』
- 『メコン・黄金水道をゆく』
- 『秘密のミャンマー』
- 『「十五少年漂流記」への旅』
- 『真昼の星―熱中大陸紀行』
- 『熱風大陸―ダーウィンの海をめざして』
- 『砂の海 風の国へ』
- 『さらば国分寺書店のオババ』
- 著者の私小説について書いた記事
- 『本の雑誌血風録』
- 『新宿熱風どかどか団』
[本書の単行本版における続編]
[あやしい探検隊シリーズ]
わしらは怪しい探険隊 (角川文庫)
[椎名 誠]
[椎名 誠]
あやしい探検隊北へ (角川文庫)
[椎名 誠]
[椎名 誠]
あやしい探検隊 不思議島へ行く (角川文庫)
[椎名 誠]
[椎名 誠]
あやしい探検隊アフリカ乱入 (角川文庫)
[椎名 誠]
[椎名 誠]
あやしい探検隊 焚火酔虎伝 (角川文庫)
[椎名 誠]
[椎名 誠]
あやしい探検隊 バリ島横恋慕 (角川文庫)
[椎名 誠]
[椎名 誠]
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