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『下天を謀る(上・下)』:雨読夜話

ここでは、「『下天を謀る(上・下)』」 に関する記事を紹介しています。
下天を謀る(上)
下天を謀る(上)安部 龍太郎 (著)
新潮社 2009-11-27

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安部龍太郎による、藤堂高虎の生涯を描いた歴史小説。
以前読んだ『江戸時代の設計者―異能の武将・藤堂高虎』を参考文献になっていることがあとがきに書かれており、江戸時代の城作りや街づくりなどの社会整備に多大な貢献をしたという面が多く描かれていて厚みがある。

水野家の照葉姫とのロマンス、照葉のいとこの勝成や加藤清正らとの友情、そして高虎を見出した羽柴秀長や後年重用した徳川家康とのやりとりなど、多くの名場面が描かれていてドラマとしても面白い。
特に、秀長の後継者である秀保の怪死事件を受けて秀吉への抗議の意味で高野山に出家した際、家康から山から下りるよう説得する書状が場面はタイトルと連動していて印象深かった。

他にも秀吉の晩年における変質には淀殿が裏で操っていたという話や、高虎が加藤清正や池田輝政ら豊臣家の家臣たちから兄貴分と遇されている描写、淀殿の使いにすぎない石田三成が関ヶ原で増田長盛に出した書状の中で愚痴をつづっているところに伊達政宗や大久保長安によるキリシタン同盟の陰謀など、他の作品に書かれていない場面が多く描かれていて飽きさせない。

終盤の大阪冬の陣・夏の陣での描写では少々物足りない感じもするが、火坂雅志の『虎の城 (上) (下)』と同じくらい読みごたえのあるいい作品だったと思う。



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関連タグ : 安部龍太郎, 藤堂高虎,

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