『働くことがイヤな人のための本』:雨読夜話

ここでは、「『働くことがイヤな人のための本』」 に関する記事を紹介しています。
働くことがイヤな人のための本(日経ビジネス人文庫)
働くことがイヤな人のための本(日経ビジネス人文庫)
中島 義道 (著)
日本経済新聞出版社 2010-02-02

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少々偏屈で攻撃的な哲学者による、4人の相談者との対話という形式で働くことや人生における意味などについて哲学的に語っている本。

著者の作品では以前『私の嫌いな10の言葉』という本を読んでかなり印象に残っていた。

著者と対話する4人の架空の相談者たちは著者自身の一面を投影させた分身のようなものと語っており、以下のようなキャラクターで共通点は働くことに対して疑問を持っていることである。
  • Aさん : 20代男性。大学院生で引きこもりしている。
  • Bさん : 30代女性。会社員で独身。これまでの仕事よりも、小説家志望が強い。
  • Cさん : 40代男性。会社員で妻子持ち。なりゆきで進んできたキャリアに疑問を持つ。
  • Dさん : 50代男性。会社経営者で世間的には成功したと見られているが、あるきっかけから哲学へ関心を再度持つようになった。
また、対話の中で著者が哲学者になるまでの話も触れられ、長い大学院生時代から引きこもりに入った時期、そして哲学への情熱を絶ちがたくウィーンに留学するなどして定職に就いたのが37歳のときだったことなどが語られている。
こうした経験から、以下のような著者の考えが言葉を変えて繰り返し語られることになる。
  • 世の中は理不尽であり必ずしも努力や善行が報われるわけではないが、全く報われないわけでもない
  • そのため、いわゆる良識に対して疑問を抱かない姿勢は問題だし、逆にそうした考え方に完全に反する考え方もまた、思考を放棄していることになる。
  • こうした理不尽を受け入れて人生について問い、悩み、哲学することが人生を充実したものにする。
  • そこに至る過程として、実社会で理不尽さを体験することが必要となる。
    (このあたりの結論は最近読んだウェーバーの『[現代訳]職業としての学問』と似ている)

私はどちらかというと著者の求める真実よりも一般的な幸福の方を志向したいところなので必ずしも賛成できることばかりではないが、世の中の理不尽さを受け止めることや一方的な価値観の押し付けが良くないことなどは納得できる。
現在の仕事はそこまでイヤになるまではないが、以前の経験したことや今後また仕事でかなりイヤな気分に陥ることは何度もあるはずで、そうした場合に本書の内容を思い返して考えてみたい。

[著者の他の作品]

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