『空白の桶狭間』:雨読夜話

ここでは、「『空白の桶狭間』」 に関する記事を紹介しています。
空白の桶狭間
空白の桶狭間加藤 廣 (著)
新潮社 2009-03-27

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秀吉の枷〈下〉 (文春文庫)
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『信長の棺』に始まる加藤廣の歴史ミステリーにおける桶狭間の合戦編。

通説では桶狭間で休息していた今川軍の本営に対して織田軍が奇襲攻撃をかけて今川義元を討ち取ったとされているが、実は奇襲はなかった・・・という書き方がされている。

本書での主人公は秀吉(木下藤吉郎)で、川並衆の蜂須賀小六と前野小右衛門をたずねるところから始まる。
秀吉は『秀吉の枷』と同様に山の民の出身という設定となっており、今川軍が兵力として圧倒的に有利で、しかも武田から雇い入れた今川忍者が多数潜入しているという絶望的な状況を打開するために謀略を仕掛けていくことになる。

信長、義元、松平元信(家康)といった主要人物たちの思惑と、それらをうまく利用しつつプロジェクトを進める秀吉という構図でストーリーが進む。

設定の面白さもさることながら、信長が兵農分離や楽市楽座の政策を進めた背景には尾張の産業事情があり、商品作物の栽培が盛んで女性依存度が高くて暇な男性がいたことや、商品作物を売りさばく必要性があったことなども書かれているのが興味深い。


[本書の文庫版]
空白の桶狭間 (新潮文庫)
「空白の桶狭間 (新潮文庫)」
 著者:加藤 廣
 出版:新潮社
 発売日:2011-09-28
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[著者による歴史小説以外の作品]
豊かさの探求―『信長の棺』の仕事論 (新潮文庫)
「豊かさの探求―『信長の棺』の仕事論 (新潮文庫)」
 著者:加藤 廣
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2014/09/15(月) | 観・読・聴・験 備忘録