『モンゴル大紀行』:雨読夜話

ここでは、「『モンゴル大紀行』」 に関する記事を紹介しています。
モンゴル大紀行 (朝日文庫)
モンゴル大紀行 (朝日文庫)
開高 健 (著), 高橋 のぼる (著)
朝日新聞出版 2008-09-05

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
河は眠らない
サイゴンの十字架―開高健ルポルタージュ選集 (光文社文庫)
声の狩人 開高健ルポルタージュ選集 (光文社文庫)
過去と未来の国々 ―中国と東欧― (光文社文庫)
たばこの本棚―5つの短篇と19の随想 (ぶんか社文庫)


作家・開高健がモンゴルへ巨魚イトウ釣りに出かけた旅について、カメラマン高橋のぼる氏の写真と開高氏の文章がメインとなっているフォトエッセイ。

先日読んだ椎名誠の『新宿遊牧民』の中の、読売広告社の岩切靖治氏(後の社長)が開高氏に熱心にモンゴルへのイトウ釣りの企画を持ちかけるというエピソードが面白かったため読んでみた。
岩切氏の熱意が実ったのが本書の内容である。

冒頭では開高氏と司馬遼太郎氏の対談が収録されており、昔のモンゴル人のような馬上で生活する遊牧民からすると、土を引っかいて暮らす農耕民は地面を這いずり回る卑しい存在に映っていたらしいことが書かれていて視点の違いに驚く。
岩盤の上に薄い土壌という草原の地形は農耕などすればすぐに破壊されてしまうことも書かれており、中国共産党政府が内蒙古でやらかした自然破壊と、モンゴルの人々が遊牧という自然に適した生き方を続けてきたことの対比も含めて考えさせられる。

そしてフォトエッセイの部分ではモンゴルの厳しくも雄大な自然を撮った高橋氏の写真とともに、開高氏の自然や人生、釣りなどについて思うところが書かれていて興味深い。
異常気象で川が濁り過ぎていたために二度にわたってイトウ釣りに挑む姿は応援したい気持ちにちょっとさせられた。

さらに開高氏はチンギス・ハンの墓探しのプロジェクトも進めていたという話だったが、自分としてはあまり見つかって欲しくないという司馬氏の意見の方に与したいところである。

何となく図書館で見つけたために借りて読んだ形だが、なかなか良かった。
これまで読んだことのある開高氏の作品は角川文庫の『裸の王様・流亡記』だけでエッセイなどは読んだことがなかったので、それらも読んでみたい。

[著者の他の作品]

にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック