世界史の誕生とイスラーム | |
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古代に成立したローマ帝国や漢帝国、ササン朝ペルシアなどを
- 地域世界で完結した世界帝国
- それぞれの地域世界を結んだユーラシア帝国
これまで中国の歴史観や西欧の歴史観からはあまり多く語られなかったイスラム圏の歴史をメインで描いている。
最初にイスラム教の概要や成立事情を紹介し、イスラム帝国(サラセン帝国)が以下の3つの時代を持つことが書かれている。
- ムハンマドが征服を開始し、後継者たちが治めた正統カリフ時代
- ウマイヤ家が1.を乗っ取り、イベリア半島から中央アジアまで領土を広げた軍事帝国のウマイヤ朝
- アッバース家が2.を倒してネットワーク型商業帝国として発展したアッバース帝国
そして商業のネットワークについては、
- これまでも扱われることの多かったシルクロード
- キャラバンが往復した砂漠の道
- モンゴルやトルキスタンなどを通る遊牧民による草原の道
- 毛皮の交易などが行われたコーカサスからロシアを通って北欧に至る川の道
- 東アフリカ沿岸、地中海、アラビア海、インド洋、南シナ海と広くつながった海の道
流通したものについても金銀や毛皮、シルクといった物産から数学、天文学といった学問、錬金術や製紙、蒸留法などの技術、はてはペストのような伝染病までがあり本当に幅が広く、世界各国に与えた影響の大きさも知ることができた。
※ペストは雲南省あたりのネズミの伝染病がモンゴル帝国によって広まったという説が紹介されている。
遊牧民を扱っている『シルクロードの経済人類学―日本とキルギスを繋ぐ文化の謎』も先日読んで面白かったが、本書はそれと異なるイスラム商人から見たユーラシア史が描かれていてスケールの大きさを楽しむことができた。
- 著者の作品について書いた記事
- 『知っておきたい「お金」の世界史』
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- 『ああ知らなんだこんな世界史』
- 『モンゴルが世界史を覆す』
- 『日本人のためのイスラム原論』

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