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『日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント』:雨読夜話

ここでは、「『日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント』」 に関する記事を紹介しています。
日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント
日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント
竹村 公太郎
清流出版 2003-12

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著者は長良川河口堰など河川行政に中心的に関わってきた元建設官僚で、地勢と気象の観点から日本の歴史、社会、文化などを分析している。
徳川家康の関東への移封は水浸しの湿地帯という当時どうしようもない土地への左遷だったために家臣たちが激怒したとか、日本は大陸から見ると太平洋への進出をふさぐうっとうしい列島であったなど、これまであまり聞いたことのないことが多く出てきて、日本を考える上で大いに参考になった。

また、諫早湾の干拓が行われた年に有明海でノリ不作になりかなり干拓をマスコミから叩かれたが、その翌年に実はノリが大豊作になったことは全く知らなかったので少なからずショックを受けた。いかにマスコミが都合の悪いこと、自己の失敗を認めるようなことを触れたがらないかということが分かった。

干拓に関連して、干拓には搦(からみ)という工法がよく用いられているということが述べてあり、これは海に大きな杭を連続して打ち込み土砂を堆積させるというものである。この文字が地名にあるところは干拓によってできた土地だそうで、私の住む市にもこの地名があり河口近くの土地なので、ここも干拓によって土地が形成されたのだろう。

この工法がなんとエジプトのピラミッド建設にまで飛躍するというところがあまりにかけ離れており、最初は荒唐無稽に感じた。ピラミッドが実はナイル川が西の砂漠へと移動しないように建設された巨大な”搦”だったというのである。ナイル川の西岸沿いに連続して建設されていることなどから読んでいくうちに納得できるように感じた。現在有力な説は巨大かつ無駄な公共事業だったというもので、吉村作治教授もその説をとなえているという。
しかし本書でも書かれているように、いくらなんでも無駄のために1000年も働き続けることはできないだろうから、からみ説の方がまだ信憑性があると思う。

著者が元建設官僚なので現在の公共事業の縮小論に対して残念に感じていることが随所に出ていて、確かに懸命にやってきた仕事を否定されるのはたまったものではないなと感じた。
このような本を読むと視界が広がる思いがする。




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