『地中海世界とローマ帝国 (興亡の世界史)』:雨読夜話

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地中海世界とローマ帝国 (興亡の世界史)
地中海世界とローマ帝国 (興亡の世界史)
本村 凌二
講談社 2007-08-21

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講談社から出ている興亡の世界史シリーズの第4巻で、ローマ帝国史を解説している作品。

ローマ以前の帝国であるアッシリアやアケメネス朝ペルシア、アレクサンドロスの帝国といった話から始まり、ロムルスとレムスの兄弟が狼に育てられたという建国神話に続いていく。

その後は戦争や外交によって拡大していく過程で、
  • 王政都市国家
  •   ↓
  • 元老院から指導者が選出される共和制
  •   ↓
  • 皇帝と訳される終身独裁者と元老院とのバランスの上に成り立つ帝国
と統治システムも変貌を遂げていく。

歴史が長くエピソードや登場人物も多数登場するが、分かりやすく解説されている。
とりあえず以下の人物は覚えることができた。
  • ロムルス 
    : 狼に育てられたという伝説のあるローマ建国者。日本で言えば神武天皇。
  • ファビウス 
    : 名将ハンニバル率いるカルタゴとの第二次ポエニ戦争時の指導者で、正面からの対決を避ける持久戦でハンニバル軍を苦しめた。
  • 大スキピオ(スキピオ・アフリカヌス) 
    : 第二次ポエニ戦争でハンニバル軍を破った英雄。
  • ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー) 
    : ”賽は投げられた”、”ブルータス、お前もか”などの名言など有名な独裁者。
  • アウグストゥス(オクタヴィアヌス) 
    : カエサルの養子で、帝政における初代皇帝。
  • ネロ 
    : 歴代ローマ皇帝の中でも暴君として有名。
  • マルクス・アウレリウス 
    : 哲人王に近いとされる名君。著書の『自省録』でも有名。

多神教を信じ、また先祖代々のプライドを持った人物が多数登場して勢力を伸ばし続けたローマ帝国だが、やがて帝国内部での内乱、ゲルマン人やフン族といった異民族の侵入、キリスト教の浸透といった様々な要因が重なり徐々に衰退していくこととなる。

この中ではキリスト教とローマ帝国の衰退に関連した説の1つに、優秀な人材がキリスト教会に採用されていったために帝国を担う人材の質が落ちたということが書かれており、そういう見方もあるのかと少し驚いた。
そういえば、中国の五胡十六国時代にも兵役逃れのために僧侶になる人が続出するという事例を読んだことがあり、それに近いといえるかもしれない。

他にも軍人たちが勝手に皇帝を擁立して抗争を繰り広げるあたりは、これまた中国の五代十国時代の騒乱に近い印象を持ってみたり、長く続いた分他国と似たケースもまま見受けられる。

ローマ帝国史をひとつひとつ読んでいくには塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズが良さそうに思うが、あまりに長いのでまだ読んでいない。
本書を読んでローマ帝国の概略を知ることができたので、いずれ挑戦したいと思っている。

[ローマ帝国について書かれた塩野七生の有名なシリーズ]
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)    新潮文庫
「ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 新潮文庫」
 著者:塩野 七生
 出版:新潮社
 発売日:2002-05
 価格:¥ 420
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[本書内で引用されている、ローマ帝国末期について書かれた作品]
古代末期の世界―ローマ帝国はなぜキリスト教化したか? (刀水歴史全書)
「古代末期の世界―ローマ帝国はなぜキリスト教化したか? (刀水歴史全書)」
 著者:ピーター・ロバート・ラモント ブラウン
 出版:刀水書房
 発売日:2006-10
 価格:¥ 2,940
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