『奇想の江戸挿絵』:雨読夜話

ここでは、「『奇想の江戸挿絵』」 に関する記事を紹介しています。
奇想の江戸挿絵 (集英社新書ヴィジュアル版)
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辻 惟雄
集英社 2008-04-17

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江戸時代に書かれた読本などの挿絵における技法や種類について、実際のグラビアつきで紹介・解説している本。

有名な葛飾北斎がこの分野でも第一人者で、特に『南総里見八犬伝』を代表作とする作家の曲亭馬琴(滝川馬琴)とのコンビはかなり豪華である。
他にも歌川豊国&山東京伝の他に歌川豊広や歌川国芳などがいる歌川派や無名の画家の作品も精力的に収集、紹介しているようだが、北斎抜きでは成立しなかったと書かれている。

描かれている題材は異界、生首、幽霊、妖怪に嵐や波といった自然、さらには爆発や閃光など多岐にわたり、その手があったかというような絶妙な技法で描かれている。
例えば3ページもので1~2ページ目の斬り合いのシーンに血の痕が続いていて、3ページ目に人の生首を加えた犬がいるという絵や、雨の中のこれまた斬り合いシーンで文章を斜めに並べて雨に見立てる技法、表情豊かな人の顔をした花をつける人面樹の絵や体中に口のある妖怪である野風など、インパクトの強い絵が多く紹介されている。

西洋画でも残虐なシーンを描いた絵も多いが、西洋画では陰惨な印象ばかりのものが多いのに対して、江戸時代のこの手の挿絵では微妙にユーモラスさも出しているところが違っていると書いているのが興味深い。

現代の漫画にも通じる技法がいくつも使われているのがよく分かり、かなり面白かった。




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