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『佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強-歴史的名著「言志四録+重職心得箇条」』:雨読夜話

ここでは、「『佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強-歴史的名著「言志四録+重職心得箇条」』」 に関する記事を紹介しています。
佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強 (知的生きかた文庫)
佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強 (知的生きかた文庫)
佐藤 一斎 (著), 坂井 昌彦 (翻訳)
三笠書房 2010-08-20

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江戸時代の儒学者で幕末・明治の指導者たちに多大な影響を与えた佐藤一斎の『言志四録』から60の言葉と、17条から構成される『重職心得箇条』の現代語訳と解説がなされている作品。

タイトルに 「人の上に立つ人」の勉強 とある通り、リーダーに求められる心がけが目立つが、それ以前に自らを律するための言葉も多い。

また、書かれた時期が江戸時代後半なので原文でもある程度意味を類推できる。
テンポ良い表現となっており、音読するのにも向いている。

どの言葉も味わいがあるが、尖閣諸島における中国漁船衝突事件の映像流出問題の報道を見ていると、政府高官たちには特に『重職心得箇条』第16条にある以下の言葉を噛みしめてほしい。

物事を隠す風儀、甚あしし。
機事は密なるべけれども、打出して能き事迄も韜み隠す時は、却て衆人に探る心を持たせる様になるもの也。


訳者によるあとがきでは一斎の略歴が書かれていて、29歳の頃に平戸松浦藩主で『甲子夜話』の著者でもある松浦静山に招かれて平戸で講義を行い、清の学者たちと交流を持ったことが書かれている。
この経験は一斎がバランスの取れた国際感覚を持つことに役立ったようで、漢学一辺倒だった当時にあっては比較的西欧文化を公平に見ることができていた逸話が掲載され、この点でもすごさを感じた。

一斎は幕府に仕える儒学者である以上、官学である朱子学を表向きでは講義していたが、それ以外にも陽明学や易学など儒学の各派をこだわりなく受け入れていたともある。
学者仲間から「陽朱隠王」(朱子学者のふりをした陽明学者)という陰口を叩かれても気にしなかったということだが、いつの時代でもつまらないことを言う人がいるものだと感じた。

佐藤一斎関連の作品では最もコンパクトな構成となっており、読み返すのに適している。
また、講談社学術文庫などから出ている『言志四録』の各4冊もそのうち挑戦しようかとも思う。




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