『古代天皇はなぜ殺されたのか』:雨読夜話

ここでは、「『古代天皇はなぜ殺されたのか』」 に関する記事を紹介しています。
古代天皇はなぜ殺されたのか (角川文庫)
古代天皇はなぜ殺されたのか (角川文庫)
八木 荘司
角川書店 2007-12

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)
古代からの伝言 わが国家成る (角川文庫)
古代からの伝言 水漬くかばね (角川文庫)
古代からの伝言 壬申の乱 (角川文庫)
古代からの伝言 日出づる国 (角川文庫)


戦後の日本古代史学界で実在しないことにされている神武天皇をはじめとする天皇や、彼らに関係のある神功皇后やヤマトタケルノミコト、そして王朝並立説で傍流とされる場合のある安閑・宣化天皇などについて、薄弱な理由から存在を抹殺されているとして、実在した可能性が高いことを主張している作品。

彼らの事跡を抹殺される根拠としては年代があまりに古くなりすぎること、100歳を超える当時としてはありえない長寿、細かな歴史書の記述などで、こうした点にひとつひとつ反論していく。

まず年代については、日本書紀では60年に1度めぐってくる干支(例えば戊辰戦争の戊辰)でしか書かれておらず、西暦でいつにあたるかの特定根拠が怪しいことを挙げ、例えば神武東征は西暦181年ではないかと推定している。

また古代天皇の長寿についてだが、これは当時の日本では春と秋に年が替わる、つまり年代が2倍となるという史料があり、2で割れば比較的現実的な年齢になるという。

他にも、著者による”クレオパトラの法則”(権力者がある地方から嫁を迎えるということは、その地方を支配下に置いたとする法則)や、『魏志倭人伝』で女王国と対立していた狗奴国が熊野から領土を拡大してきた天皇家の勢力、つまり熊野国だったのではないかなど、自虐史観では書くことのできなかった日本古代史のストーリーが展開されていく。

これまでいかに日本古代史が、左翼による自虐史観の影響を強く受けてきたかが分かり、考えを改めさせられたところが多かった。
特に日本書紀については一時期よく読んでいた関裕二の著書の影響からか、かなり偏った見方をしていたことに気付いた。

さほど期待せずに読み始めた作品だが、思っていた以上に面白くて一気に読み進んでいった。
関裕二の作品には少々飽きたところがあるので、これからは八木作品を何冊か読んでいきたいと思う。


[著者の他の作品]

にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

関連タグ : 八木荘司,

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック