『神武東征の謎―「出雲神話」の裏に隠された真相』:雨読夜話

ここでは、「『神武東征の謎―「出雲神話」の裏に隠された真相』」 に関する記事を紹介しています。
神武東征の謎―「出雲神話」の裏に隠された真相 (PHP文庫)
神武東征の謎―「出雲神話」の裏に隠された真相 (PHP文庫)
関 裕二
PHP研究所 2003-12

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
天孫降臨の謎―『日本書紀』が封印した真実の歴史 (PHP文庫)
「出雲抹殺」の謎 ヤマト建国の真相を解き明かす (PHP文庫)
消された王権・物部氏の謎―オニの系譜から解く古代史 (PHP文庫)
大化改新の謎―闇に葬られた衝撃の真相 (PHP文庫)
壬申の乱の謎―古代史最大の争乱の真相 (PHP文庫)


関裕二の歴史読み物で、神武東征を扱っている。

かなり前に買ってそのままにしていたが、先日神武東征を扱った八木荘司の『古代からの伝言 日本建国』を読んで面白かったので、同じ題材を扱っている本書を読んでみた。

本書では神武天皇という神という言葉の秘める意味や、トヨという名に関連する人物が『古事記』や『日本書紀』に複数登場すること、出雲に由来する銅器の分布が北部九州にも及んでいることなどから考察を進めていく。

その中から
  • 北部九州の国家群がヤマトの勢力拡張を恐れて鉄の流通経路である関門海峡を封鎖していた
  • 著者が邪馬台国の所在地と推定する久留米付近を背後から脅かす位置にある日田を、出雲の勢力が押さえていた
  • 神武天皇がヤマトに入る前にヤマトを支配していたニギハヤヒという人物に代表される勢力は、出雲から出てきた物部系の勢力だった
  • さらに、出雲の勢力内でも神武天皇を迎えるかどうかで2派に分裂していた
など、古代の地政学や国際関係が描かれていて興味深い。

ただ、どうしても『古事記』や『日本書紀』における藤原不比等による曲筆を探るというスタイルで考察が進められている関係からか、人物や神社の名がいくつも出てきて、ついていくのが少々しんどい。

久しぶりに関裕二の作品を読むと、怨霊や祟りを恐れる話が多いというところは井沢元彦にもやや作風が近いようにも感じた。

信憑性についてはともかく、スケールの大きな古代史の物語を楽しむことができて面白かった。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

関連タグ : 関裕二,

この記事へのコメント
> むらかみからむ さん

石渡さんの本は読んだことがないのですが、近いうちに読んでみたいと思います。
本のご紹介ありがとうございます。
2011/07/31(日) 16:00 | URL | ufit #-[ 編集]
ぜひ石渡信一郎氏(僕は教授と呼びます)の本たとえば完本 聖徳太子はいなかった 等の感想聞かせてください
2011/07/31(日) 00:41 | URL | むらかみからむ #-[ 編集]
むらかみからむ さん

返答遅れすみません。

関裕二さんの本は、3冊目くらいまでは刺激的で面白いんですけどね。
これからもよろしくお願いします。
2011/04/24(日) 03:40 | URL | ufit #-[ 編集]
私も石渡信一郎にあうまでは
関さんの本
好きでしたが、、、
やっぱ おかしなところ
(論理に欠ける点)多いと思います。
2011/04/22(金) 23:42 | URL | むらかみからむ #RmVAfd/w[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
最近出版ラッシュの関裕二氏の古代史ものです。 梅原猛氏の、これもかなり衝撃的な作品となった、 を読んで以来、聖徳太子や蘇我氏に興味を持ち、書店で「蘇我氏」「聖徳太子」「中臣鎌足」「飛鳥」などのキーワードが目にはいると、自然に手に取ってしまう習慣がついてし...
2011/01/23(日) | 私の通勤読書メモ