『李陵・山月記―弟子・名人伝』:雨読夜話

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李陵・山月記―弟子・名人伝 (角川文庫クラシックス)
李陵・山月記―弟子・名人伝 (角川文庫クラシックス)
中島 敦
角川書店 1995-05

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中島敦の代表的な短編を収録した作品集で、以下の6作が収録されている。
  • 前漢の武帝時代に運命に翻弄された李陵、蘇武、司馬遷を描いた「李陵」
  • 李徴という詩人がプライドが高すぎて虎になったという話の「山月記」
  • 孔子とその弟子である子路の関係を描いた「弟子」
  • 弓術を極めた人物がどのようになったかという話の「名人伝」
  • 西遊記に登場する沙悟浄が思い悩む形式の「悟浄出世」
  • 「悟浄出世」の続編とも言える「悟浄歎異」

かなり以前に読んだものだが、このところ論語関連の本を読んでいて、孔子とその弟子・子路の関係を描いた「弟子」を収録している本書を再読した。

「李陵」や「山月記」は以前も興味深く読んだが、「弟子」は当時『論語』についての予備知識が少なかったこともあり、そこまで入り込めなかった記憶がある。
しかし、『論語』に関する本で孔子や子路を知った上で読むと、以前よりもその良さを感じることができた。

他にも『西遊記』に登場する河童の妖怪である沙悟浄が世の中の仕組みについてあれこれ思い悩む「悟浄出世」と「悟浄歎異」は、おっちょこちょいで小心なところのある沙悟浄のつぶやきが面白い。
この中には『老子』や『荘子』で読んだ記憶のある話も織り込まれていて、話に厚みを加えている。

簡潔でユーモアも含んだ文体は読みやすく、長生きしていれば多くの作品を楽しめたのではないかと残念な気持ちになるくらいいい作品だと思う。
著者の全集がちくま文庫から3冊出ているので、いずれこれらも読んでみたい。


[著者の全集]

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