FC2ブログ

『遙かなる地球の歌』:雨読夜話

ここでは、「『遙かなる地球の歌』」 に関する記事を紹介しています。
遙かなる地球の歌 (ハヤカワ文庫SF)
遙かなる地球の歌 (ハヤカワ文庫SF)
アーサー・C. クラーク (著), 山高 昭 (翻訳)
早川書房 1996-03

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)
天の向こう側 (ハヤカワ文庫SF)
声の網 (角川文庫)
銀河帝国の崩壊 (創元SF文庫 (611-1))
竜の卵 (ハヤカワ文庫 SF 468)


アーサー・C. クラークによる壮大なスケールのSF。

職場で回覧されていた『KANRIN』(咸臨)という専門誌に本書の書評が掲載されていたのを読んで興味を惹かれ、図書館で借りて読んだ。

ストーリーとしては、太陽の超新星化で滅亡した地球を逃れて植民先の惑星に向かう移民団が、その途上で人類撒種計画で定着した、遺伝子コードから人工的に生み出された人類の住む惑星を訪れるというものである。

宇宙船の名はマゼラン号、惑星の名はサラッサで、対衝撃シールドのメンテナンスを実施する間にマゼラン号乗組員とサラッサ住民の間でさまざまな交流がなされる。

サラッサは地表のほとんどが海で陸地が少ないため、人口を制限していて技術レベルもほどほどでとどまっている。
宇宙のあちこちで活動する時代になっても人口制限をしなければならないのは、現実的かもしれないが楽しくない。

またサラッサの住民は神や宗教の影響を受けなかったこともあり、理性的かつ奔放という性格付けがなされている。

また、マゼラン号の人々の間では”宇宙に生物が存在する確率は極めて少ないので、生物が存在する惑星に植民するのはやめよう”という超法律などという違和感が強い価値観があるなど思想的な面についても多く触れられている。

また、以下のような技術が登場するのも興味深い。
  • 真空から量子エネルギーを取り出して進む宇宙船
  • 遺伝子コードからの人類撒種
  • 冷凍睡眠
  • 脳や肉体の損傷頻度が軽微であれば蘇生が可能な医療技術の進歩
  • 冷凍機器と宇宙エレベーターを利用した、凍結させた海水を材料とする対衝撃シールドの作成

基本的な舞台設定は好きなSF作品であるジェイムズ・P・ホーガン著『断絶への航海』に似ていて、クラークとホーガンの違いとして読み比べるのもいい。
好みとしては『断絶への航海』の方だが。

持って回った文章なので最初の1/3くらいは少し入り込みにくいが、読み進めていくことでスケールの大きさや叙情的な内容に馴染んでくる。

本書の位置付けはクラークSFの集大成ということらしく、確かにそれだけの内容だと思う。

本書ではファンタジーじみた未知の存在が登場しないこともあり、これまで読んだ著者の『2001年宇宙の旅』、『幼年期の終わり』、『宇宙のランデブー』などよりも好きな作品だった。
絶版となっているのは少々惜しい。



[本書と舞台設定が似ている作品]
断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)
「断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)」
 著者:ジェイムズ・P. ホーガン
 出版:早川書房
 発売日:2005-02
 価格:¥ 1,113
 by ええもん屋.com

[著者の傑作短編集]

にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




関連タグ : アーサー・C・クラーク,

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック