『「名将言行録」を読む―人生の勝敗を決める知恵の書』:雨読夜話

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「名将言行録」を読む―人生の勝敗を決める知恵の書
「名将言行録」を読む―人生の勝敗を決める知恵の書
渡部 昇一
致知出版社 2010-12

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戦国武将のエピソード集である『名将言行録』の内容を抜粋・解説している本。
『名将言行録』の原著は、幕末に岡部繁実という武士が大名家から聞いた話をまとめたもので、本書は芥川賞と直木賞を作った菊池寛が編集した本を元にしているという。

武将ごとに分かれた構成で、歴史小説でも読んだことのない味わい深い言葉とエピソードがいくつも取り上げられていて面白い。
明智光春(左馬助)、小西行長、太田道灌、戸次鑑連(立花道雪)、木村重成、北条氏規といった地味な武将もけっこう出てくる。

まず、最も印象に残ったのは光秀の重臣だった明智光春の見事な出処進退に関してである。
彼は本能寺の変で信長の死体が見つかっていたのを、後世に光秀が信長を侮辱したと非難されないよう信長の死体を隠させたという話があり、ええぇぇぇ!?とかなり驚いた。
※あくまでそのように語られているだけで、信憑性は不明

尼子再興に向けて戦った山中鹿之助の章では、経験を積むことで見えてくるものという話も興味深い。
太平洋戦争で撃墜王として活躍した坂井三郎という戦闘機乗りの手記も引用されており、やはり知るだけではダメで経験も積む必要があると感じた
また、彼を代表する”我に七難八苦を与えたまえ”という言葉から、プレッシャーの重要性も語られている。

伊達政宗のところでは、苦手や弱さを感じたところはすぐに再度行うという手法についても、なかなかできないが非常に重要と思った。

他にも以下のような話が興味深かった。
  • 知将とされる小早川隆景が朝鮮の役では見事な戦いぶりを見せたこと
  • 戸次鑑連における武将としての寛容さと厳しさ
    (女性問題はあまり気にしないが、逃げた兵は皆殺し)
  • 立花宗茂の、目的を達すれば体裁や詳細は大目に見るという合理性
  • 秀吉の律儀さや筋を通す硬骨さ
  • 真田昌幸が息子の幸村に、お前は名声がないから策が採用されないと語った意味

菊池寛が編集した本を元にしているということで、菊池が戦国武将について書いた以下のようなコメントが紹介されているのも面白い。
  • 北条早雲(長氏)は早く生まれすぎた
  • 義経と謙信は政治家ではなく、純粋に武将らしい武将
  • 毛利元就の実績は秀吉、家康、信長に次ぐ4番目くらいだが、人物としては最高かもしれない
  • 北条氏の四代目が暗愚な氏政ではなく賢明な氏規なら江戸時代まで続いたかもしれない

著者独特の表現として、藤堂高虎の章ではイラク戦争におけるアメリカにとっての英国は井伊家、日本を藤堂家に例えているのにも驚いた。

著者が多作ということもあるのか、細かなミスが散見されるのはいただけないが、戦国武将たちの経験に裏打ちされた言葉や行動は示唆に富むところが多かった。



[致知出版社より出ている著者の作品]





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