『聊斎志異〈上〉』:雨読夜話

ここでは、「『聊斎志異〈上〉』」 に関する記事を紹介しています。
聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)
聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)
蒲 松齢 (著), 立間 祥介 (翻訳)
岩波書店 1997-01-16

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
聊斎志異〈下〉 (岩波文庫)
山海経―中国古代の神話世界 (平凡社ライブラリー)
遊仙窟 (岩波文庫)
列仙伝・神仙伝 (平凡社ライブラリー)
捜神記 (東洋文庫 (10))


各地に伝わる伝承を元に、清の初期に書かれた怪異話をまとめた『聊斎志異』を現代語訳した作品の上巻。

『日本と世界の「幽霊・妖怪」がよくわかる本』における中国の幽霊話で、本書から引用された話が面白かったため読んだ。

短編集の形となっていて、短いものは2ページ、長いものでも20ページ弱と読みやすいし、どこからでも読める。

大抵の作品に幽霊や狐、妖怪、冥界の役人などが登場するが、意外と怖い話は少ない。
通常の人間と酒を飲んだり、美女に化けた狐と結婚したりするなど人間臭いキャラクターに親近感を持てる作品が多く、思っていた以上にかなり面白い。

この時代は科挙による人材登用をベースとした官僚制度が浸透している影響か、死んだら冥界の官職に任命されるなどのエピソードがあって苦笑してしまう。
また、冥界では閻魔大王だけでなく、赤ら顔で長いひげの神将=『三国志』で有名な関羽(関帝)も登場する。

幽霊や狐、冥界の役人などと飲み友達になって色々と便宜を図ってもらう話は読んでいてうらやましくなる。
さすがに、親に決められた奥さんとはいえ、”体はまあまあなんですが顔が・・・”とお願いして奥さんの首を死んだばかりの美女と交換してもらった話はちょっとひどいと思った。

また、幽霊の美女と狐の美女の二人と結ばれる話もあり、こうした話に出てくる異界の美女は情が深くて魅力的なタイプとなっていることが多い。

日本では幽霊は恨みつらみがあって怖いイメージが強いが、中国のこうした話ではわりと身近な存在と感じられていたように思う。

一方、狐は稲荷信仰もあってそこまで抵抗はない。
狐が化けた美少女という設定の萌え系キャラクターが様々なジャンルの作品に登場することを思うと、なおさらそう感じる。

気に入ったので、下巻も読むことにする。



[他の訳者による、聊斎志異の現代語訳作品]
大活字版 ザ・聊斎志異―聊斎志異全訳全一冊 (グラスレス眼鏡無用)
「大活字版 ザ・聊斎志異―聊斎志異全訳全一冊
(グラスレス眼鏡無用)」

 著者:蒲 松齢, 翻訳:柴田 天馬
 出版:第三書館
 発売日:2007-01
 価格:¥ 2,625
 by ええもん屋.com
聊斎志異の怪 (角川ソフィア文庫)
「聊斎志異の怪 (角川ソフィア文庫)」
 著者:蒲 松齢, 翻訳:志村 有弘
 出版:角川書店
 発売日:2004-08
 価格:¥ 620




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック