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『聊斎志異〈下〉』:雨読夜話

ここでは、「『聊斎志異〈下〉』」 に関する記事を紹介しています。
聊斎志異〈下〉 (岩波文庫)
聊斎志異〈下〉 (岩波文庫)
蒲 松齢 (著), 立間 祥介 (翻訳)
岩波書店 1997-02-17

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清の初期に書かれた怪異話である『聊斎志異』を現代語訳した作品の下巻。
41話が収められている。

上巻同様に、狐や幽霊が人間に化けて人間と会話するなど、さまざまな話が収録されている。

狐仙(仙人になった狐)、すっぽん、揚子江ワニ、緑の蜂、牡丹の花、菊の花と、さまざまな生き物が人間の姿で登場する。

深く追求しなければそれなりに幸せな生活が送れたと思われるのに、タブーを破ったり周囲にいらぬことを話してしまったために別れなければならなくなる悲劇もままある。
(先方の事情で人間界に住めなくなったためというケースもある)

日本の話で近いものを考えると、『夕鶴』や、『古事記』におけるトヨタマヒメの話などだろうか。

そういえば星新一のショートショートで、正体が狐と判明して去ろうとした妻に、”人間でいる時間のほうが長いのだから、狐に化けることのできる人間と考えればいいじゃないか”と説得に成功した話を思い出した。


また、道教などで信仰される神々もしばしば姿を現す。
例えば上巻でも少し出ていた関帝(『三国志』で有名な関羽)の他、二郎神君という『西遊記』でも活躍する人間出身の神が登場する。

二郎神君は元の呼び名を李二郎といい、紀元前に父の李氷(りひょう)とともに四川盆地に都江堰(とこうえん)というダムを建設した功績によって神格化されたという。

以前読んだ司馬遼太郎の『街道をゆく 20 中国・蜀と雲南のみち』によると、都江堰は現在に至る2000年以上も恩恵を与え続けているという話だったので、人気があるのも納得できる。

二郎神君が登場するのは「冥土の冤罪訴訟」という作品で、閻魔大王以下冥界の役人たちが富豪の亡霊から賄賂を受け取って不当な判決をしたことに対し、冥界の役人たちを罰する役回りをしている。
冥界でも汚職がまかり通るあたりは、さすが中国とちょっと苦笑してしまった。


日本とはまた違った形での昔話を楽しむことができ、かなり面白かった。







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