『暗黒世界のオデッセイ』:雨読夜話

ここでは、「『暗黒世界のオデッセイ』」 に関する記事を紹介しています。
暗黒世界のオデッセイ (新潮文庫)暗黒世界のオデッセイ (新潮文庫)
(1982/05)
筒井 康隆

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筒井康隆による、まとまりのないバラエティ豊かな作品集。
『心狸学・社怪学』などとともに、古本市にて50円で購入した。

内容としては、以下の5作に大別される。
  • 70年代に著者が予測した、人口爆発と環境汚染が進んだ暗黒世界として2001年世界を描いた表題作
  • レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯をひねった形でつづった短編「レオナルド・ダ・ヴィンチの半狂乱の生涯」
  • 星新一の代表作のひとつ『ボッコちゃん』での解説の「星新一論」
  • 著者が自身の短編を漫画化したものと、書き下ろした漫画による「筒井康隆全漫画」
  • 人々の間に潜む狂気について語った「乱調人間大研究」

この中で面白かったのは「筒井康隆全漫画」と「乱調人間大研究」の2作である。

「筒井康隆全漫画」で漫画化している短編は「筒井順慶」、「急流」、「わが名はイサミ」、「アフリカの血」、「アフリカの爆弾」、「近所迷惑」、「ワイド仇討」など読んだことのあるものが多く、小説とは別の楽しみ方ができた。

山藤章二氏のイラストと同様に、イケメンで書きにくいからという理由で自身の顔をのっぺらぼうにしており、いけしゃあしゃあとしたところが面白い。
著者のあまりうまくないタッチも味があり、作品自体の気持ち悪さ+絵の微妙さという形で楽しめた。

「乱調人間大全集」では”乱調人間”という言葉を用いていて、最近読んだ著者の『アホの壁』にも近い。
  • 分裂症の事例
  • 権力志向が満たされない場合の歪んだ現われ方
  • 飲酒した場合の異常な行動
  • デマがエスカレートする場合、背景に存在している願望
  • 欲求不満とヒステリーの関係
などが書かれている。

著者は若い頃フロイトにはまっていたということで、精神分析ネタは大好きなテーマらしく、かなり熱心に語りたい感じが伝わってくる。

表題作のように古くなった部分もまま見受けられるが、そこそこ楽しめた。


著者の作品について書いた記事
  • 『俗物図鑑』
  • 『アホの壁』
  • 『にぎやかな未来』
  • 『狂気の沙汰も金次第』
  • 『日本以外全部沈没―パニック短篇集』
  • 『玄笑地帯』
  • 『心狸学・社怪学』
  • 『わかもとの知恵』
  • 『七瀬ふたたび』

  • [著者が解説「星新一論」を書いている、星新一の代表的な作品のひとつ]
    ボッコちゃん (新潮文庫)
    「ボッコちゃん (新潮文庫)」
     著者:星 新一
     出版:新潮社
     発売日:1971-05
     価格:¥ 500
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