『信長は生きていた―推理で挑む日本史の大ドンデン返し』:雨読夜話

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信長は生きていた―推理で挑む日本史の大ドンデン返し (PHPビジネスライブラリー)信長は生きていた―推理で挑む日本史の大ドンデン返し
(PHPビジネスライブラリー)

(1994/08)
小林 久三

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日本史における英雄たちの隠された正体や、陰謀について書かれている歴史読み物。
古代、天下統一期、江戸幕府初期と3部に大別した構成となっている。

古代では、
  • 崇峻天皇暗殺事件の背景にある、蘇我氏と息長(おきなが)氏の主導権争い
  • 空海の素性や行動における謎
  • 西行と奥州藤原氏とのつながりや、保元の乱につながる争いにおける影の役割
天下統一期では、
  • 信長と島津氏との関係
    (この話は同名の作品『信長は生きていた-GOD KAZUKIが伝える“本当の歴史”』でも扱われていた)
  • 中国大返しや漂白民出身疑惑など、秀吉伝説の真相
  • 家康の子だが認知されず、キリシタンとなり徳川家と戦った小笠原権之丞、生まれてすぐに家康から嫌われた息子の松平忠輝、キリシタン武将の明石全登など、キリシタン武士たちによる家康政権打倒計画
江戸幕府初期における徳川家内部の話としては、
  • 徳川三代に老中として仕えた土井利勝の素性と、宇都宮釣天井事件での暗躍
  • 徳川家光(三代将軍・家康の孫)VS尾張義直(御三家筆頭・家康の八男)の確執
  • 水戸光圀(水戸黄門)による宮将軍擁立の陰謀や、義直から受けた尊王思想
などが扱われている。

他の本を読んで知っていたこともあるが、初めて知る異説も多い。

藤原氏以前の外戚は蘇我氏しか知らなかったが、息長氏も外戚として有力だったことが書かれていて、
  • 蘇我系皇族 : 崇峻天皇、推古天皇、用明天皇など
  • 息長系皇族 : 押坂人彦大兄皇子、舒明天皇、天智天皇、天武天皇など
という対立構図となっている。
暗殺された事実を隠蔽するため、いつの間にか『日本書紀』から退場させられたという押坂人彦大兄皇子(おしさかひこひとおおえのおうじ)の存在がかなり気になる。

他にも小笠原権之丞の素性や明石全登との関係、尾張義直が屈折した動機から尊王思想を持つに至ったことなどが面白かった。

水戸藩が尊王思想の強さで幕末の政局に大きな影響を与えていたことはよく知られるが、尾張藩も比較的早く官軍(薩長)に協力している。
これには藩祖(義直)の影響もあるかもしれないと思った。

小笠原権之丞や松平忠輝を扱った歴史小説も書かれているので、そのうちに読んでみようかと思う。


[著者の他の作品]
「戦国史」謎解き読本―信長・秀吉・家康の野望を暴く! (青春文庫)
「「戦国史」謎解き読本―信長・秀吉・家康の野望を暴く! (青春文庫)」
 著者:小林 久三
 出版:青春出版社
 発売日:2000-12
 価格:¥ 560
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[本書に登場する小笠原権之丞を扱った、火坂雅志の歴史小説]
家康と権之丞 (文春文庫)
「家康と権之丞 (文春文庫)」
 著者:火坂 雅志
 出版:文藝春秋
 発売日:2006-10
 価格:¥ 930
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[本書に登場する松平忠輝を扱った、隆慶一郎の歴史小説]
捨て童子・松平忠輝(上) (講談社文庫)
「捨て童子・松平忠輝(上) (講談社文庫)」
 著者:隆 慶一郎
 出版:講談社
 発売日:1992-11-04
 価格:¥ 620
 by ええもん屋.com




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