『サキャ格言集』:雨読夜話

ここでは、「『サキャ格言集』」 に関する記事を紹介しています。
サキャ格言集 (岩波文庫)
サキャ格言集 (岩波文庫)
サキャパンディタ (著), 今枝 由郎 (翻訳)
岩波書店 2002-08-20

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13世紀チベットの学者で、晩年はモンゴル帝国との交渉を行ったサキャ・パンディタという人物の格言集。

チベットということで仏教の影響が強いが、穏やかなことを言っていると思ったら大間違いで、辛辣な言葉が多い。
格言に続けて例えを交えた構成となっていて、韻を踏んでいるようにも感じられる。

例えば5章「悪行についての考察」では、単に悪いことを非難するだけでなく、

悪人はどんなに矯正したところで
本性は善くはならない
木炭はどんなに洗っても
色は白くならない

といった具合にバッサリ切り捨てている。
これは自発的に考えを改めない限り、他者による矯正だけでは悪は治らないということだろう。

また、日本では”正直者が頑張ったら報われる”みたいな考え方が(建て前として)強いが、3章「愚行についての考察」では

真っ正直な愚者は
自分をだめにし他人を傷つける
森のまっすぐな木は根元から伐られ
まっすぐな矢は人を殺す

と実に手厳しい。

真意としては賢く正直であれ、悪賢い人や賢くない人に大事を任せていはいけないといったことが、かなり刺激的な表現で書かれている。
あまりにストレートに書かれているので、苦笑しながら読んでいった。

さすが多くの修羅場をくぐり抜けてきたと思われる人物の言葉だと感じた。
現代の有名人で近い人物として思い浮かぶのは、サッカー日本代表元監督のイビチャ・オシムである。

知らなかった本だが、マキャベリの『君主論』やバルタザール・グラシアンの言葉のような鋭さがあり、面白かった。






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