『中国民話集』:雨読夜話

ここでは、「『中国民話集』」 に関する記事を紹介しています。
中国民話集 (岩波文庫 赤39-1)
中国民話集 (岩波文庫 赤39-1)
飯倉 照平
岩波書店 1993-09-16

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中国各地に伝わる民話44編を現代語訳した作品。

「ふるやのもり」、「絵姿女房」、「舌切り雀」、「猿蟹合戦」、「花咲かじいさん」といった日本の昔話に影響を与えた可能性の高い話が多く入っていて面白い。

また、影響があったかどうか分からないが「三匹の子豚」や「ジャックと豆の木」、「かえるの王子」といった西欧の昔話に似たパターンの話も入っていて、こうした民話の類型についても考えさせられる。

兄弟や親友といった間柄の人々が何らかの原因で仲たがいしたり、運命が分かれるといった話も多く、当時および現代にも通じる家族関係の悩みを反映しているようなところも興味深い。

他の昔話では読んだことのないタイプの話も多く、「エンマ様をぶち殺した農夫」という話などが面白かった。
これは主人公の農夫が、危害を加えようとした雇い主やその息子、さらには冥界の役人や閻魔大王までも計略を用いて返り討ちにする話である。
この農夫のずる賢さは、ギリシア神話に登場するシシュポスを思い起こさせて笑ってしまった。

巻末にはそれぞれの話の原典についての解説もついていて、物語として楽しむだけでなく民俗学の本として読むこともできる。

絶版になっているのは残念で、復刊してほしいと思う。



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