『2035年 火星地球化計画』:雨読夜話

ここでは、「『2035年 火星地球化計画』」 に関する記事を紹介しています。
2035年 火星地球化計画      (角川ソフィア文庫)2035年 火星地球化計画     (角川ソフィア文庫)

竹内 薫
角川学芸出版 2011-02-25

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



火星の地球化(テラフォーミング)を中心に、これまでの宇宙開発の現状と今後の構想について解説している本。
タイトルにある2035年というのは、オバマ大統領が火星に有人探査を行う計画を発表していることから取られている。

まず、火星探査、スペースシャトル、宇宙ステーション、宇宙エレベーター、スペースコロニー、レールガン(物資を電磁石の力で宇宙へ飛ばす機械)といった、他の宇宙開発の状況や構想について多くの話題が扱われている。

まずは比較的実現性が高そうな、火星の大気や土壌から燃料となるメタンや酸素を作成させる機能をつけた探査機を送り込む計画が印象に残る。

また、宇宙に移動するための手段として、スペース・プレインと呼ばれる大気圏内ではジェット、大気圏外ではロケットで飛ぶ飛行機の話も興味深い。

さらに、宇宙エレベーターやレールガンなど『機動戦士ガンダム00』や『機甲戦記ドラグナー』といったSFアニメにも登場する機械の構想を読むとテンションが上がる。


こうした前提となる技術の解説の後、本題である火星地球化の話に移る。
その方法は大別して以下の4つが紹介されている。
(4.は厳密には火星地球化とは言えないが)
  1. 主に微生物を利用して大気の生分を変える方法で、あまり工学的な手法は用いない(ただし10万年単位の期間が必要)
  2. 隕石をぶつけたり巨大なミラーで太陽光線を当てるといった工学的な手法を用い、できるだけ早く地球化を進める
  3. 1.と2.の方式を併用する
  4. 火星の地表に、地球に近い環境を再現したドームで覆われた地域を広げていく


火星地球化のアイデアを提唱した天文学者の故カール・セーガン博士は、2.のような荒っぽい手法はあまり使って欲しくないと語っていたそうで、火星のありのままの環境をできるだけ残したいという気持ちも理解できる。
どんな災害が発生するか分かったものではないし・・・

その一方、火星上に地球に近い環境を早く見たいと期待してしまう気持ちも強い。


最終的には火星で生身で生活できる形を目指している形だが、本文にも書かれているように、気圧が地球くらいになって宇宙服ではなく酸素マスク+もう少し動きやすい服装で動き回れる形になるだけでもかなり開拓がしやすくなると思う。

スケールの大きな話が実際に進められていると知り、SF好きとしてはわくわくする。



[著者の他の作品]





にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト

この記事へのコメント
> 人生楽しみさん 

宇宙事業は不況などで予算削減となる場合も多いですが、はやぶさのように夢のある計画は必要だと考えています。

多くの魅力的なビジョンが提示され、理解を得やすい形で進めばいいなと思います。
2011/05/30(月) 19:19 | URL | ufit #-[ 編集]
ufitさん こんにちは。
オバマさんの火星有人飛行計画は、アポロ計画以上に血湧き肉踊りますね。我が地球の酸素や命のことを充分に研究した上で、火星環境を上手く変化させることが出来れば、人類の移住も夢ではありません。
良い本を紹介いただきました。早速読んでみます。それでは、また、お邪魔します。
2011/05/29(日) 14:45 | URL | 人生楽しみ #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック