『家族が語る山下清 夢みる清の独り言』:雨読夜話

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家族が語る山下清
家族が語る山下清山下 浩
並木書房 2000-07-01

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貼り絵で知られる画家・山下清の甥に当たる山下浩氏による、清の実像について語っている本。

著者は清をサポートしてきた実弟の辰吾氏の長男で、生前は同居して一緒に遊んでいたという。
確か福岡アジア美術館に「放浪の天才画家 山下清展」を観に行った際の展示も、著者の名であいさつが書かれていたと記憶している。

『裸の大将』でデフォルメされたイメージが一人歩きしているきらいがあるが、
  • 放浪の旅では絵を書くことはなく、並外れた記憶力で記憶した風景を後でじっくり作画する。
  • 几帳面な性格から一度決めた仕事時間は厳正に守り、時間になるとキリが悪いからといって続けたりせずにスパッとやめる
  • ランニングに半ズボンのイメージに反して実際はおしゃれで、ベレー帽にスラックスという服装が多かった
  • いたずら好きで、ブーブークッションなどのいたずらグッズを多く所持していた
など、実際の姿が描かれていて興味深い。

また、コメントを求められることも多かったそうで、最初は清なりに普通に答えていたのが、途中からサービス精神を発揮するようになったことも書かれている。

”兵隊の位に直すと・・・”という口癖が有名で、この形で地方都市を例えるとほとんどが少佐になってしまうため、途中から”日本の○○の大将”といった形で切り抜けているのにはちょっと感心した。

同居していた著者と清の間のエピソードも書かれている。
  • 清に絵を描くことが好きなのかどうかたずねたところ、”仕事だからな”とあっさり答えられた
  • 家族ですき焼きを食べる際は清が肉を取るスピードが速く、著者が肉を食べられずにべそをかいた
  • 清は人に何かを教えることは嫌いだったが、著者とその弟にだけは貼り絵を教えることもあった
などで、読んでいてほほえましい。

全体として清は絵を描くことや有名になることではなく、あくまで自由きままに旅をして美しい風景を見るのが楽しみだったということが伝わってくる。

巻末では清の作品についてのスタンスが述べられており、贋作問題や修復活動についても書かれている。
先日観た特別展でも修復活動についての展示が充実していて、着実に活動がなされていることが分かった。

清の日記を3冊読んでこれらも面白かったが、身近な人物による清を描いている本書も別の印象があって良かった。
清が語った言葉や家族との写真も多く入っていて、興味深い一冊だった。



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