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『もっと知りたい葛飾北斎―生涯と作品』:雨読夜話

ここでは、「『もっと知りたい葛飾北斎―生涯と作品』」 に関する記事を紹介しています。
もっと知りたい葛飾北斎―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
もっと知りたい葛飾北斎―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
永田 生慈
東京美術 2005-08

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葛飾北斎の作品をカラーグラビアで紹介し、その生涯や画風について解説している本。
4月に「生誕250周年 大北斎展」と「ハンブルク浮世絵コレクション展」を観に行ったこともあり、関心があったので読んでみた。

本書では絵手本の時代、錦絵の時代、肉筆画の時代・・・と、画風による時代ごとの変遷で解説していて、変化が分かりやすい。

例えば北斎といえば真っ先にイメージする人の多い作品である『神奈川沖波裏』(グレイト・ウエーブ)や『凱風快晴』(赤富士)、『山下白雨』などの『富嶽三十六景』は、71歳から74歳までの約4年間に集中して書かれていたという。

また、北斎の風景画はいわゆる名所絵とは異なり、富士山なら富士山に集中して描いていて、必ずしも現実の風景とは一致しないという特徴が解説してあり、なるほどと思った。

このあたりが、例えば『東海道五十三次』を描いた歌川広重あたりとの作風の違いということになる。

風景画や人物画の他にも『北斎漫画』のように絵手本として描かれた作品や作図集なども多く収録されている。
これはあまりに弟子が多くなりすぎて、自筆での指導が困難になったことも一因とあり、絵手本のレベルの高さに驚嘆する。

例えば悪玉踊りという踊りの振付けの図解が前と後ろの見開きに書かれていて、踊りのポーズが分かりやすく書かれていて面白い。
踊り自体も”悪”と書かれた丸い仮面をつけたり外したりする踊りで楽しい。

指導方法では定規による直線とぶん回し(コンパス)による円の組み合わせで絵の輪郭を描く手法を解説していて、現代に漫画の描き方でも似たような指導がされていることを考えても、受け入れやすいやり方ということが分かる。
”へのへのもへじ”のように文字で絵を描く方法を解説した本も出していて、これも現代の漫画に影響を与えていることが感じられる。

絵がよく売れていたのになぜか貧乏話ばかりが出てきたり、孫の悪行に悩まされるなど、人となりを感じさせるエピソードも多く書かれていて興味深い。

巻末に島根県津和野町に葛飾北斎美術館があると書かれていたので、いつか行ってみたい。



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