『ローマ帝国の盛衰―ローマ発展の軌跡とその遺産』:雨読夜話

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ローマ帝国の盛衰―ローマ発展の軌跡とその遺産 (学研M文庫)ローマ帝国の盛衰―ローマ発展の軌跡とその遺産 (学研M文庫)

是本 信義
学習研究社 2002-05

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ローマ帝国の歴史について、原初の王制から共和制、そして東西分裂後の末路に至るまでをダイジェストで紹介している作品。ローマについては下に記載した関連記事の本で読んでいるが、たまたまほんだらけにて見つけたので購入し読んだ。

本書ではカルタゴとのポエニ戦争や、カエサルの登場からアウグストゥスの帝政成立に至る内乱、そして軍人皇帝時代などの記述で知らなかったところが書かれていて興味深い。

また、ローマの勢力拡大や繁栄を支えてきた道路や軍の駐屯地建設といった工学技術、アレクサンドロス軍のファランクスとローマ軍のレギオンといった軍隊のフォーメーションなどを解説しているのもいい。

そして、ローマ帝国が衰退した遠因についても全体を通したテーマとして書かれている。
これは質実剛健な自作農を主体とした軍だったのが、度重なる軍務による貧富の差の拡大、国民軍だったのが傭兵主体の軍へ変質したこと、さらには支配地域の拡大による食糧の植民地への依存など、ローマ人という意識が薄れて内部から徐々に崩壊していったとある。

ただ、ローマを中心に書かれた作品とは言え、ゲルマン人やムスリムといったローマやその後継国家と戦った国家や部族をあからさまに蛮族としているところは違和感がある。
欧米人が書いたのならまだ仕方ないと思うが、欧米の歴史観のバイアスがかかり過ぎているのは気に入らない。

まあそれはそれとして、ローマ帝国の概略を知るにはまずまずの一冊だったと思う。
ただし長い歴史を1冊かそこらでは漏れている部分も多いので、やはり塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズや、ギボンの『ローマ帝国衰亡史』あたりにもいずれ挑戦したいところである。




[著者による、ローマVSカルタゴのポエニ戦争を扱った作品]
経済大国カルタゴ滅亡史―一冊で読めるポエニ戦争ハンニバル戦記
「経済大国カルタゴ滅亡史―一冊で読めるポエニ戦争ハンニバル戦記」
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[まだ挑戦できていない、ローマ帝国史関連の大作]
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
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ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)
「ローマ帝国衰亡史〈1〉五賢帝時代とローマ帝国衰亡の兆し (ちくま学芸文庫)」
 著者:エドワード ギボン
 出版:筑摩書房
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